目次
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ー 日本人の国民病「慢性腎臓病」 ー 日本人の多くは野菜と魚が不足
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ー 過食や偏食を避け腎臓をイキイキ! ー 寿命を5年延ばす「肉・魚・卵」
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ー 寿命を5年延ばす「大豆製品・乳製品」
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ー 寿命を5年延ばす「野菜」 ー 寿命を5年延ばす「きのこ・海藻」
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ー 寿命を5年延ばす「炭水化物」

「腎臓の衰えは、寿命に直結します」と断言するのは腎臓病専門医として多くの患者を診てきた上月正博先生。

 腎臓の主な機能は体内に必要な成分をろ過し、老廃物を尿として排出すること。その機能は加齢とともに少しずつ衰えていくが、糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームなどの病気により、機能低下が急激に加速する。

「高血糖や高血圧の状態が続くと、腎臓の血管に負担がかかり、フィルターの役目をしていた細胞が剥がれ落ちて、ろ過できなくなってしまうのです」(上月先生)

日本人の国民病「慢性腎臓病」

 こうして腎機能が慢性的に低下する“慢性腎臓病”の患者は急増中で、日本では成人の8人に1人が患っている。「国民病」ともいえるこの病は、罹患すると心血管病のリスクが倍増するという怖い病気なのだ。

「腎機能が低下すると、カルシウムが血管内に沈着して血管が硬くなります。そうすると狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や脳出血を引き起こします」(上月先生)

 慢性腎臓病を予防するには、運動習慣と禁煙に加え、食生活がカギとなる。

「重要なのは低脂質なタンパク質をとること。タンパク質が足りないと筋肉量が減りますから、基礎代謝も減少し、高血圧や糖尿病を引き起こす肥満の原因に。これに加え、タンパク質の不足で血管が硬くなることも、腎臓への負担を増やします」(上月先生)

 厚生労働省が定めるタンパク質の摂取目標量は、立ち仕事も含む職業の50歳女性なら1日68~98g。ただし量がとれていればいいわけではない。

「タンパク質は一度に吸収できる量に限りがあるため、朝昼晩3食それぞれ、20~30gに分けてとる必要があります。“朝はパンだけで、夜にタンパク質をまとめてとればいいだろう”という考えではダメなのです」(上月先生)

日本人の多くは野菜と魚が不足

 腎機能には腸内環境も影響しているため、食物繊維などもまんべんなくとることが重要だ。しかし、管理栄養士として2000人の食生活を指導してきた森下久美子さんは、

「今まで、野菜を必要量とっている人に会ったことがありません。ほとんどの日本人は栄養が偏り、不足しているか、過剰摂取しています」

 と話す。野菜に加え、をもっと取り入れるべきだという。

「加齢による腎臓の衰えは防げませんが、腎臓を長持ちさせる食習慣は、早く始めるほど意味がある。アメリカの研究では、“ひとつ病気を患うと10年老化したのと同じ”といわれていますが、日本人の健康水準なら5年の老化というところ。

 つまり、食事に気をつけることで寿命に5年の差が出るといっても過言ではないでしょう」(上月先生)

 低脂質なタンパク質と野菜を中心に、栄養のプロの2人が注目している30食材を紹介。