ワンオクTaka、HYDEにも“方向性の違い”

 ライブでの声出しを巡っては、アーティストの間でも意見が分かれていた。

「2022年8月に開催されたロックフェス『SUMMER SONIC 2022』では、ガイドラインに“大声・歓声禁止”のルールが明記されていましたが、ロックバンドONE OK ROCKのボーカル・Takaさんが“どのフェスも出禁覚悟でやってる”として観客に声出しを煽り、その様子がネット上で拡散されたことで炎上。一方、同フェスにソロで出演していたL’Arc〜en〜Cielのボーカル・HYDEさんは“騒ぎたいのもめちゃくちゃわかるぜ!!……けど、(コロナが)怖いけどライブに来てくれている人もいる”“声が出せないのは寂しいけどルールは守れ、不安な人の隣で騒ぐのはダサい”と、まるで演説のようにアツく訴え、その姿に賞賛が集まりました」(音楽誌ライター)

 Takaの炎上は、当時の政府の基本的対処方針やイベントのガイドラインを守らなかったことに起因するため、LUNA SEAの問題と直接的に結びつけることはできない。しかし、Takaは騒動後にインスタグラムを更新し《会場にいた人達には僕の気持ちは伝わってると信じてる。でもいいわけはしません。嫌な気持ちにさせてしまった人達へ。ごめんね》と、謝罪の文章を投稿した。

アーティストとして交流のあるHYDEとTaka(Takaのインスタグラムより 2019年)
アーティストとして交流のあるHYDEとTaka(Takaのインスタグラムより 2019年)
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 ライブまであと数日と迫った今、LUNA SEAの運営はファンの声をどう受け止めているのか。担当窓口に問い合わせたところ、以下の回答があった。

《政府よりマスク着用の考え方の見直しが示され、「マスクの着用は個人の判断となり、本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、個人の主体的な
判断の尊重にご配慮を」との発表がございましてから、当ライブに関わらず、マスク着用を強制されることに理解を示されないご意見も多くいただいてまいりました。

 ご来場される皆様からのご意見に対し決して耳を傾けていないわけではございませんが、協議の結果、以下オフィシャルサイトでも告知をさせていただきました通り開催をさせていただくこととさせていただきました》

 ルールの再考を求める問い合わせはあったか、またどう対応しているかについては、

《誠に恐れ入りますが個々にいただいております回答につきましては、皆様状況が異なりますため、回答は差し控えさせていただきますことを何卒、ご理解いただけますようお願い申し上げます》(原文ママ)

 とのことだった。

 5月8日に開かれた松野博一官房長官による記者会見で、新型コロナウイルスは季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行すると発表されたが、松野氏は「感染症法上の位置付けが変わっても、ウイルスの特徴が直ちに変わるものではない」「感染対策により気をつけていただく」と喚起を呼び掛けていた。

「怖いけどライブに来てくれている人もいる――」

 “盟友”HYDEの言葉は、LUNA SEAに届いているのか。その決断に、ファンの心は揺れに揺れている――。