「基本的に、“旅行会社を通じて”ということが条件になるため、個人旅行を計画している人にとっては、あまり魅力的には映らないかもしれません。インバウンドだけが増えても、国内の旅行会社はあまり潤わない。アウトバウンドも増やして旅行業界を下支えするという側面もあるでしょう。また、今回のキャンペーンは、JATAが国から金銭面で支援を受けているわけではないので、どうしても規模に限界がある」

 と、鳥海さんは理解を示した上で、「国が海外渡航することに対してお墨付きを与えたことは大きい」と続ける。

海外のキャンペーンにも注目

「海外に行くことに後ろめたさを感じていた人もいると思います。しかし、“どんどん海外に行ってください”と、今回のキャンペーンでは推進しているわけです。“何千円お得”ということ以上に、旅行者の心理的負担を軽減させたことに意味があります」(鳥海さん、以下同)

 鳥海さんは、国内のキャンペーンにとどまらず、海外のキャンペーンに目を向けるのも一つのアイデアだと話す。

台湾では交通系ICカードで約2万円分が抽選で当たるキャンペーンを
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「例えば、台湾では5月1日から旅行者に対して、日本でいうところの交通系ICで5000元(約2万円)分を抽選で25万人にプレゼントするキャンペーンを開始しています。また、香港では6月26日から日本と香港の往復航空券3万8000枚以上を無料(諸税と燃油サーチャージは別途必要)で配ると発表しています」

 鳥海さんによれば、「海外 お得 キャンペーン」などでネット検索すれば、現在展開されているキャンペーン一覧が出てくるとのこと。日本同様に、厳しい水際対策を行っていた国は、ここにきてお得なキャンペーンを開始し、観光客の回復に努めているという。

 ちなみに、鳥海さんがおすすめする海外旅行先はどこなのか?

「近場なら、今お伝えした台湾、香港に加えて韓国もいいでしょう。遠出をするなら、近年、“行きたい”という人が増えているハワイもおすすめです。物価が高いため、航空券も高いと思われがちですが、JALが設立した国際線中長距離路線LCC(格安航空会社)のZIPAIRなら、時期にもよりますがハワイまで片道5万円ほどで行くことが可能です。機内はWi―Fiが無料ですし、座席もLCCにしては広い。少し前までは、フィジーもキャンペーンを行っていて、往復5万円+諸税で行くことができました」