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ー 夫はあてにならない
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ー 娘の才能に気づいたのは2歳タレント性は生まれ持ったもの

 在日三世として東京に生まれ、人気シンガー、クリスタル・ケイ(37)を女手ひとつで育てたシンシア(60)。横須賀の海軍勤務の男性と結婚し、23歳で出産。理想の結婚生活に思えたが、ほどなく2人の間に亀裂が入り始める。

夫はあてにならない

夫はまったくあてにならないことがわかり、ベビーシッターに娘を預けて歌う仕事のために店に行くようになりました。私が夜出かけると夫はいい顔をしなかったけれど、当初の約束があるので『やめろ』とも言いません。

 夫とは冷ややかな関係が続きました。私が料理を作っても手をつけてくれず、同じ家に住んでいてもほとんど口もきかないような状態でした。

 今考えると、彼の中でも葛藤があったのでしょう。思いがけず子どもができ、結婚し、家庭を持った。夫として、父親として、どう振る舞っていいのかわからなかったのでしょう。もっと彼の気持ちを考えてあげるべきだった。でも2人ともまだ若く、意地の張り合いになってしまった。

 夫との生活は限界を迎えていました。でも“もうこれ以上ムリ!”と思ったとき、“はたして私はいい妻だったと胸を張って言えるだろうか?”とふと考えた。ベストを尽くしたと言えるまで頑張ってみよう、とそこで決意し直した。相手を思いやり、夜の営みも拒まず受け入れようと決めた。何しろ夫は遠征に出ることも度々で、一緒にいる時間もそう多くはありません」

 1991年、湾岸戦争が勃発。夫も現地へ動員され、不在の日々が続いた。

「夫はブルーリッジという司令艦に乗っていて、彼が所属する横須賀基地の第7艦隊は中東へ総動員されていきました」