水難事故マップを見ると、過去の水難事故の発生地点を確認できる。それらには特徴があり、夏場のレジャーで利用される上流域のキャンプ場、中流域の大きな河原のある場所や付近が大半を占める。

 また、取水堰・頭首工、橋梁など河川構造物の付近で起こった事故が3491件の水難事故のうち540件(約15%)ある。河川構造物の付近は、急に深くなる場所、複雑な流れの場所がある。近寄らないこと、飛び込まないことが大切だ。

年代別では大人の事故が最も多い

 年代別で見ると、年齢幅が広い「大人」の事故が総数の約4割を占め、「子ども」に相当する幼児から中学生までの合計は全体の4分の1。同行者別に見た場合、最も多いのは「大人のグループ」で全体の約38%。

 大人が子どもを引率したグループでも事故が多く発生している。メディアでは「大人が同伴していれば大丈夫」という情報もあるが、流された子どもを助けようとして大人が事故にあうケースも多い。「大人がいれば安心」ではなく、大人も子どもも安全管理を行う必要があるだろう。

 また、子どもの事故で多く見られるパターンは、河岸から転落して溺れてしまうこと。川遊びで低水路や流れに立ち入り、深みにはまっておぼれたケース、落としたボールやサンダルなどを拾おうとしておぼれたケースなどがある。中学生になると転落するケースは減るが、危険な場所に入ったり、増水した川に入って事故に遭うケースが増える。

 では、どのような準備や対策を行うべきか。

1. ライフジャケットを正しく着用する

「川に落ちたら浮いて助け待つ」という情報があるが、プールならともかく、流れのある川で浮くのは難しい。そもそも人の体は浮きにくいし、川には流れの複雑な場所、流れの強い場所もある。