目次
Page 1
ー ストレスや疲労をきっかけに発症
Page 2
ー つらいのは「後遺症の激痛」
Page 3
ー ワクチン接種で痛みが7割減少
Page 4
ー ワクチンで認知症リスクが低下?

 

 外来診療で、「帯状疱疹ワクチンは打っておいたほうがいいですか」と質問されることが増えた。

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 さまざまなメディアでの宣伝が増えているからだろう。

 このように聞かれると、私は「接種を強くお勧めします。私も打っています」と答えることにしている。なぜ、私が帯状疱疹ワクチンを推奨するのか。本稿で解説したい。

ストレスや疲労をきっかけに発症

 まずは、帯状疱疹の説明からだ。

 帯状疱疹は水痘ウイルスによって引き起こされる。幼少期に水痘(水ぼうそう)にかかると、通常は1週間程度で治癒するが、その後も微量の水痘ウイルスが体内で生き残り、神経の中に潜伏する。加齢とともに免疫力が低下すると、ストレス疲労、風邪などささいな病気などをきっかけにウイルスが増殖し、帯状疱疹を発症する。