ただ、上げ幅が小さいサイゼリヤ、ロイヤルホールディングスは客数を伸ばしており、上げ幅が大きめとなった幸楽苑やマクドナルドは客数マイナスの影響が出ているようだ。中には、日高屋、ガストのように、値上げを実現しつつ、客数増を実現しているチェーンもある。

 また、迷惑動画事件などに巻き込まれたスシローなどの回転寿司業界は値上げ幅が小さいのに、客数マイナスとなっており、事件の影響(寿司をレーンで回せなくなったことなども含め)が大きいようだ。

 この結果は対前年比データのみの反映となっているため、コロナ前比較での状況はわからない。ただ、言えることは、値上げはある程度、客数には影響するが、その必要性を消費者に説明しつつ、恐れずに価格改定を進めていくしかない、ということなのであろう。

外食需要に予想以上のブレーキかかる可能性

 日本経済は、デフレからインフレへの転換期に入ったとされる。賃上げが追い付いていない中、食品、エネルギーの価格上昇が先行してきたため、実質賃金は2023年8月で17カ月マイナスが続いている。特に、食品、エネルギーという生活必需品の値上げ幅が大きいため、多くの消費者は支出の内訳を変えるしかない。コロナ禍で大打撃を受けた外食支出は、今また財布の紐が固くなることで抑えられてしまう懸念が高まっている。

 実際、総務省「家計調査」の外食支出を前年と比較してみると、コロナへの警戒感が薄らいだ春先にはかなり顕著な増加傾向がみられたが、その増加幅は急速にしぼんでしまっているようにみえる。同調査では、所得階層を5つ(調査母集団を人数で5等分し、所得が低いほうから1~5階層としている)に分けている。

 特に所得が少ない階層では伸び幅がほとんどなくなっており(コロナ期と変わらない水準)、今後、値上がりの抑制や賃上げが実施されるといった改善がなければ、外食需要には予想以上のブレーキがかかるかもしれない。

東洋経済オンライン
東洋経済オンライン
すべての写真を見る