目次
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ー 5年前の食品が実家にあふれて
Page 2
ー 人の話を聞かない待てない親に辟易
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ー 一度に24枚の書類と格闘するハメに… ー 在宅でも施設でも最終的にはカネ次第
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ー “介護はホラー以上”読者から切実な声が ー ストレス解消にはプチ家出・ソロ活を

 

 小説家でフリーライターのこかじさらさん(65)は、大学進学以来、千葉の実家を出て東京で暮らしていたが、今から6年前のある日、両親の異変に気づいた。

5年前の食品が実家にあふれて

 母親が腹痛で緊急入院し、急きょ帰省したこかじさんが実家で目撃したのは、賞味期限切れの食品でいっぱいの冷蔵庫だった。

「腐った野菜、5年前の冷凍食品などが無秩序に詰め込まれていました。台所の棚に、買い置きには多すぎる大量のラップが山積み。これは認知症の初期症状に違いないと、腹をくくりました」(こかじさん、以下同)

 近くには実兄もいるが、自営業を営んでおり、細かいサポートはできない。こかじさんは南房総にある実家にUターン移住することを決める。

「まだ両親は自活できていたし、いずれ介護も必要になるだろうけれど、最後の親孝行になればと移住をしました。仕事もリモートでできる著述業ですし、ここで故郷に戻るのもいいな、くらいに考えていました」

 ところが、いざ同居を始めると想像を超えたストレスフルな日々が始まった。まず驚いたのは、元来ものわかりはよかった父親の変貌ぶりだ。

 あるとき千葉県を猛烈な台風が直撃し、千葉県全域が3、4日も停電したことがあった。実家はたまたま通電していたが、アンテナが傾いたのかNHKが映らなくなった。

「すると父が『相撲が見れないじゃないか。早く電気屋を呼べ』と言うんです。でも周辺は信号も止まり、電気屋さんどころかコンビニも開いていない緊急事態。説明しても、10分おきに『まだ電話していないのか』と私を責めました」

 母親も停電騒ぎなどおかまいなしに、「ヨーグルトを買ってきて」と言って聞かない。

 非常事態にもかかわらず、周りの状況把握ができていないばかりか、自分のことしか考えられない両親に、「ここまで認知機能が衰えていたとは……」と、いら立ちと戸惑いを覚えたという。

こかじさんが介護する4人の家族

実父(93歳)

 もともと神経質で気が短いところはあったが、加齢に伴い、状況にかまわず我を通そうとするように。

こかじさんが介護する4人の家族(1)実父(93歳) イラスト/青井亜衣
こかじさんが介護する4人の家族(1)実父(93歳) イラスト/青井亜衣

実母(91歳)

 気が強く買い物好き。できないことが増えているにもかかわらず、「自分が正しい」とゆずらない。

こかじさんが介護する4人の家族(2)実母(91歳) イラスト/青井亜衣
こかじさんが介護する4人の家族(2)実母(91歳) イラスト/青井亜衣

叔父(90歳)

 職人気質で穏やかだが、アルツハイマー型認知症が進み、無免許運転、保険など手続きもれの問題発生。

こかじさんが介護する4人の家族(3)叔父(90歳) イラスト/青井亜衣
こかじさんが介護する4人の家族(3)叔父(90歳) イラスト/青井亜衣

叔母(90歳)

 おしゃべりで外出好きだが、世事に疎く、何事も人まかせ。家事全般が苦手で家はゴミ屋敷状態に。

こかじさんが介護する4人の家族(4)叔母(90歳) イラスト/青井亜衣
こかじさんが介護する4人の家族(4)叔母(90歳) イラスト/青井亜衣