【心筋梗塞・脳卒中】大がかりな手術で費用がかさむ

 命に関わる病気といえば、心筋梗塞や脳卒中。手術代や治療費もかなりの高額だ。心筋梗塞の場合、1割負担なら17万8000円だが、2割負担になれば35万6000円に。

 入院日数も長くなるため、出費もかさむことを覚悟しなければならない。

心筋梗塞の場合、医師が3人にナースと麻酔医が加わる大がかりな手術を行います。手術中はいったん心臓を止めて、その代わりに循環を維持する機械などを使用。手術費が高くなるのはある意味、当然といえます」

手術費、入院費、生活療養費など、治療を受けたときにかかる費用を含む(出典『病気の値段がわかる本』)
手術費、入院費、生活療養費など、治療を受けたときにかかる費用を含む(出典『病気の値段がわかる本』)
【写真】がんで実際にかかるさまざまなお金、“病院以外”での出費もかさむ

 脳卒中でもこれは同じ。

「脳の手術の場合、医療用のドリルで頭蓋骨を開けて手術するため、非常に時間がかかります。

 手術後、おでこに医療用ネジが出たままとなるケースもあり、この場合は普通の生活が送れるように、それを取り除く手術を行いますから、二重に手術代がかかるのです」

 麻痺が残った場合、機能回復を目指してのリハビリも必要に。

「ですから、脳卒中は手術後の治療費もかなりかかります。一方、心筋梗塞は一般的に術後、薬でコントロールすれば、日常生活が支障なく送れるのが強み。とはいえ、心筋梗塞も脳卒中ももともとは血管の病気で、弱い部分が詰まったり破れたりしただけ。

 生活習慣を改めることなく、暴飲暴食や運動不足の生活を続ければ、またいつ血管が詰まってもおかしくありません」

 病気になれば大金がかかる可能性も。

 お金の準備とともに、生活改善による“予防”も心がけたい。

「医療費を抑えるためにも、かかりつけ医をおすすめしたいです。昔はその家庭のおじいちゃんもおばあちゃんも看取った先生がかかりつけ医をしていたので、そういう先生は、その家の食の好みや運動習慣もよく知っている。

 診断が正確ですし、患者さんのちょっとした変化にも気づきやすいので、結果的には医療費の節約につながります」