知っておきたいうんちの『3のルール』

 実はそれ、便秘じゃないかも!?

1)排便は1日3回から1週間に3回
2)1回の排便は3分以内
3)いきむのは3秒以内(うんちを出すのは12秒で)
4)温水洗浄便座は3秒程度まで(弱く)

 便秘は良くないということは理解できたものの、「そもそも正しい排便を理解できていない人も非常に多い」と藤森先生。

「まず便の中身はほとんどが水分ですから、正しい状態を保つには水分をしっかりとることが非常に大事です。夏場はみなさん意識して水分をとっていると思いますが、急に寒くなったりすると、水分摂取量が減るため、便秘の患者さんが増えるんです。

 また、高齢の方は喉の渇きを自覚しづらくなるため、水分をあまりとらないことで便秘になりやすいといえます」

 さらに、自分は便秘だと自覚している人も、その判断基準について一度見直したほうがよさそうだ。

「メディアなどの影響で、毎日排便がないと便秘だと思っている方が多いですが、決してそうではありません。

 結果的に毎日便が出るような生活習慣や食事をすることが大事なのであって、刺激の強い薬を飲んだりして無理に毎日出すことが健康的な排便ではないんです」

 では、どんな状態が正しい排便なのか。

「気持ちよくスッキリ出せれば1週間に3回でもいいんです。逆に、毎日出ていても、気持ちよく出せなかったらいい状態とはいえません。排便の頻度やかける時間など、“3のルール”としてまとめたので、ぜひ参考にしてください」

藤森正彦先生●呉市医師会病院排便ケアチームPOOP代表。大腸・肛門外科医。2018年より他職種で「POOP」を立ち上げ、地域で排便についての啓発を行っている。著書に『腸、いい感じ』(南々社)がある。
藤森正彦先生●呉市医師会病院排便ケアチームPOOP代表。大腸・肛門外科医。2018年より他職種で「POOP」を立ち上げ、地域で排便についての啓発を行っている。著書に『腸、いい感じ』(南々社)がある。
【写真】藤森先生がおすすめ「排便日誌」の参考に!「便の形状チェック表」

教えてくれたのは……藤森正彦先生●呉市医師会病院 排便ケアチームPOOP代表。大腸・肛門外科医。2018年より他職種で「POOP」を立ち上げ、地域で排便についての啓発を行っている。著書に『腸、いい感じ』(南々社)がある。

『腸、いい感じ』著・排便ケアチーム「POOP」代表藤森正彦(南々社)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

取材・文/當間優子