課題となる警備面

 オックスフォード大学は約50もの学部が存在し、さらに250以上のコースに分けられており、学生の多様な関心に対応している。

「生物学科には動物行動学や発生生物学などを学ぶことができるコースがあります。これまで悠仁さまが取り組んでこられたイネやトンボの研究を、より深掘りすることができるでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)

 未来の天皇陛下が4年間海外に住まわれるとなると、やはり警備面が課題となるだろう。これについて山下さんはこう解説する。

「悠仁親王殿下のお立場は、将来の天皇という点で、昭和時代の今の陛下と同じです。陛下の留学中は、英国の警護官が2人ついていた上、侍従が外務省に出向し、英国大使館員としてお世話をしていました。ですから、悠仁親王殿下が外国の大学に進学された場合は、同様の体制をとることが考えられます」

 秋篠宮さま悠仁さまの海外進学を後押しする背景には、こんな“父心”があるそうで、

「陛下の留学は、皇太子ではなかったから可能だったといえます。上皇陛下は御誕生時から皇太子で、18歳の成年以降は外国訪問など多くの公務を担われていたため、大学に通われてはいましたが、卒業はかないませんでした。そうしたお父さまやお兄さまをご覧になってきた秋篠宮殿下は、息子が皇嗣でも皇太子でもないうちに、できるだけ自由に学ばせたいとのお考えをお持ちなのではないかと思っています」(前出・山下さん)

 海外に羽ばたかれ、新しい天皇像を確立される日が待ち遠しい。

山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている