“負けてる自分”が認められず

 その根底には“人を笑わせたい”“人前に立ちたい”という思いがあるという岩橋。一方で、再び漫才をする可能性は否定する。

「やっぱり、しんどかったので。吉本時代は何度も解散を考えていました。そんなに売れなかったけど評価はしていただいて、きちんとギャラをもらえていたから、なんとか続いていました

 精神的な負担も大きく、

毎日、お客さんの前に出て漫才をしていたので、常にミスができない緊張感があって、相方にもネタのことで強く当たってしまったりして……。そんな自分のことが嫌いだったんです。常に“○○しないといけない”と、何かに追われている感覚がありました

 その点、独立してからは、

「銀行口座の残高と相談しながら、マイペースに仕事ができるので、自由な時間をとれるようになりました。その結果、メンタルの病気も落ち着いてきました。自分の思うとおりの生き方ができるようになって、今はすごく幸せです」

葬儀社のアンバサダーを務めている元プラスマイナスの岩橋良昌。滋賀県を中心に、岩橋の顔写真が大きく載った看板が掲出されている
葬儀社のアンバサダーを務めている元プラスマイナスの岩橋良昌。滋賀県を中心に、岩橋の顔写真が大きく載った看板が掲出されている
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 思いのままに生きる今、テレビ出演には、あまり興味はないという。

『かまいたち』とかの後輩がどんどん売れて“負けてる自分”が認められなくてテレビを見なくなったんです。そういうやっかみがあるからか、ネット配信の番組のほうが面白いと思うことが多くて。それに、部屋から普段着のまま生配信ができる時代ですから、あんまりテレビに重きを置いていないですね」

 そんな岩橋が、目下取り組んでいることはというと、

「英語の勉強をしています。レッスンに通うのは大の苦手なので、スマホのアプリでずっと英単語を聞いて、海外のニュースチャンネルの動画を見て、日常に溶け込ませながら覚えています。ゆくゆくは、英語でTikTokの生配信をして、日本にいながら海外で知名度を上げたいですね。そして、興味が赴くままにたくさんチャレンジをして、会社を大きくしていきたいです」

 新たな道を歩み始めたことは岩橋にとっては“プラス”だったようだ。