加齢による骨密度の低下も予防
さらに、クエン酸には骨密度の低下を防ぐ働きもある。
「クエン酸にはカルシウムを包み込んで水に溶けやすくする作用があり、カルシウムと一緒にとることで腸からの吸収率をアップさせる効果があります。年をとると、腸からカルシウムを吸収する力が弱まって骨密度の低下を招きやすくなるため、レモン果汁は骨粗しょう症の予防にも最適」
特に女性は閉経後に女性ホルモンのエストロゲン分泌が減少し、骨密度が大幅に低下するため注意が必要だ。
「エストロゲンが減ると身体は血液中のカルシウム濃度の変化に敏感になり、骨を溶かしてカルシウムを補おうとするため、骨密度が低下しやすくなります。しかも血液中のカルシウム濃度が上がると、今度は腸からカルシウムの吸収を抑える指令が出され、骨密度が下がるという負のスパイラルを引き起こします」
中高年女性はカルシウムとレモンを一緒にとって、血液中のカルシウム濃度を一定に保っておくと、身体に良い影響を与える。
「20〜30代のうちから骨密度を高めておけば、将来の骨粗しょう症予防にもつながるので、若い世代もレモンを食べることをおすすめします」
飯田先生イチ押しのメニューは、カルシウムが豊富な牛乳と、レモンを組み合わせたレモンラッシー。
「クエン酸には、運動後の乳酸を抑えて疲労感を軽減する効果があり、日常生活のサポートにもつながります。またカルシウムには熱中症予防の効果があるため、ウォーキングなどで汗をかいた運動後にレモンラッシーを飲むのも効果的。
ただし、レモン果汁はとりすぎると胃酸過多や逆流性食道炎を悪化させるおそれがあるため、摂取を控えるか、多くても1日30ml、大さじで2杯までを守るように」
さらに気をつけたいのが医師から高血圧や骨粗しょう症の診断を受けている人。
「クエン酸は予防には効果的ですが、病気の治癒には不十分。診断を受けている場合は病院で治療を受けましょう」
今年も猛暑が続きそうな夏。さっぱりしたレモンを取り入れて、健康寿命を延ばそう。