新旧ものまね芸人の違いとは?
澤井:それこそ最近は、素人に近い方がテレビでものまねをする機会も増えました。ものまね界全体の潮流はどう感じていますか。
原口:それで言うと、ものまねアーティストというジャンルが新しくできましたよね。いわゆる歌を精密にカバーするような人たち。
ホリ:コロナぐらいからSNSや配信ブームになって、そこで跳ねた人たちが歌モノ系の番組に出る流れはありますよね。
自分たちの時代は素人ものまね番組が結構あって、関根さんとか松村さんとかがそこからデビューする流れが目立ってました。番組に出ると、ものまね系のプロダクションの人が観劇してて、そこでスカウトされることもあって。だから時代背景とか環境も違うんだろうなと。
原口:いまのものまね界は、大きく2つにカテゴライズされがちなのかなと。1つは精密にアーティストの歌を真似る人、もう1つは茶化しながらも喋りや所作を真似て笑いをとる芸風の人。特に若手は前者ですよね。
澤井:逆に、お三方は後者ですよね。歌を上手く真似るんじゃなくて、あくまでもものまねで笑いを取りに行くスタイルで。
原口:そうですね。「リアルを追求する」か「笑いを取りに行くか」の違いで、結局はどっちが自分が気持ちいいかなんですよね。とはいえ、どっちも求めているのが正直なところなので、一概には言えないんですけど。
ミラクル:ものまねって演技力が大事だと思うんですよね。私なんか新田恵利さんのものまねしてますけど、別に歌を完璧に再現しているわけではない。どちらかというと新田さんの癖とか佇まいとか、特徴的なポイントを取り上げて笑いにしている感覚です。
ホリ:だから我々のやり方は、コピーっていうより、風刺に近い感覚なんだよね。
ミラクル:そうそう。そっくりさんではないんですよね。
ホリ:俺なんか木村拓哉に似ているわけないのに、木村拓哉ですって言ってるからね(笑)。原口さんがさんまさんなわけないのに、なぜか「つけ歯したらさんまさんに見える」みたいな。顔似てないところを、そこに寄せて笑わせる感覚だよね。