元力士だからこその説得力
「栃ノ心の発言は、相撲界の内部事情を知る元力士だからこそ説得力がありますよね。特に外国出身力士として、日本の相撲界で成功を収めた経験を持つ彼の言葉は重みが違いますし、現役時代から温厚で優しいイメージの印象が強かった栃ノ心が、これほど感情を露わにしているのはよっぽどのことなんだと思います。
宮城野親方と交流があったとはいえ、処分が他の事例と比較して重すぎるという指摘は的確で、協会の不透明さを浮き彫りにしましたね」(スポーツ紙ライター)
大関まで上り詰めた栃ノ心は引退時の過去のインタビューで「もし人生をやり直せるなら、また日本で力士になりますか?」という問いに「なります。もっと強くなりたかった」と相撲への愛と熱意を語っているだけに、リスペクトする大横綱の退職は他人事ではなかったようだ。
組織の透明性と公平性を求める声は日増しに高まっており、外国出身力士の視点から発せられた痛烈な批判は、相撲界の未来を左右する重要な問題提起となりそうだ─。