「前大臣のときは3か月たっても出回らなかったのに、小泉大臣になったらどうしてこんなに早く放出されているのか。信用できないコメを口に入れたくない」(東京都・男性・65歳)
「あまりに政府関係者が無能すぎるので、これからはできるだけ農家から直接コメを買いたい」(山口県・男性・63歳)
農家に支払う概算金を上げてこなかったツケ
こんな声もアンケートでは上がってきた。これからのコメの流通・販売はどうなるのだろうか? 西島さんはこう話す。
「農協にコメを出さない農家も増えてくるでしょう。だって、企業が現金を持って直接買いつけに来てくれて、しかも農協よりも高い価格で買ってくれるから。農家にしてみればそちらを選びますよね。20年前から農家に支払う概算金を上げてこなかったツケが回ってきたんです。
ただ農協の販売網がないと続けていけない小さな産地もあるので、農協をなくすことはできません。根本的な仕組みを変えなくてはいけない状況ですね」
そしてコメの価格などは多極化していくだろうという。
「銘柄にこだわって“高くてもこのコメが欲しい”という人もいれば、ブランド、産地は関係なく味と価格はこのくらいで、と考えている人もいます。売るほうも、スーパーのように安さを売りにするところとお米屋さんとの格差もあるでしょうし。お米屋さんの中でも私のところのような専門店もあれば、リーズナブル系の専門店もあります。
もう、コメは日本の主食ではないことを消費者の動きが示していると思います。特別な存在ではなく、普通の食品になっている。それぞれのニーズに品種や価格を合わせ、高いコメから安いコメ、生産者がこだわったコメなど、これまで以上に多極化していくと思います」(西島さん)
取材・文/蒔田 稔