確かに、備蓄米を食べないと答えた人で、

普段からお米をそんなに食べないから」(東京都・女性・37歳)

新しいお米が少々高くても、それがおいしいはずだから」(沖縄県・女性・54歳)

買い溜めして家庭で保存したコメは備蓄米よりひどい状態に

 食べたいという人でも、

普通の米とあまり変わらないと思っているから」(宮城県・男性・46歳)

古米のほうがおにぎりに向いていたり、実はメリットもある」(大阪府・女性・43歳)

 年代で結果を見てみると、その裏にコメに対する思い入れの違いが透けて見える。

今回のコメ不足だって、騒いでいるのは年齢の高い層が中心でしょう。コメ不足は去年の夏くらいから始まっているので、コメに対しての“こだわり”を持っている人はそのときに買いだめをしたかもしれない。でも家庭で保存したそのコメ、備蓄米よりひどい状態になっていますよ。完全に賞味期限が切れていますから」(西島さん)

 白米は精米直後から酸化が進行して、長期間保存しておくとカビや虫の発生リスクが高まる。だいたい春夏は精米後2週間~1か月、秋冬で1か月〜2か月くらいがおいしく食べられる目安だという。

「ニュースなどで、備蓄米を買おうと早朝から並んでいる映像が流れていますが、消費者にはある種のイベント的な興味もあると思います。だって、一生に1回のことですよ(笑)。備蓄米を放出したら来年にはないわけだし、これから備蓄するコメは、産地、品種が違うものになるだろうから。

 平成5年に冷夏の影響でコメ不足が起きました。そのときにタイ米を緊急輸入したのと同じです。何年か後には“こんなにまずいの食べたよね”という話をするような感覚。でも、今はネットなどで情報が飛び交う時代なので、どうすればおいしく食べられるか簡単に知ることができます。またとないイベント、という気持ちで楽しんでいる人もいるのでは」(西島さん)

 備蓄米をめぐっての動きはますます加速している。6月10日、小泉農林水産大臣は追加で令和3年産と2年産の備蓄米合わせて20万トンを放出することを発表。令和2年産となると、古古古古米になるのだが……、

「古古古古米についてはわからないけれど、古古古米については炊いて試食しました。でも、においが思った以上にダメだった。これは拒絶する人は多いかな……、と。

 ただ、水加減やすすぎ方で炊き上がりの8割以上はカバーできます。料理の仕方、おかずとの相性によっておいしく食べられますし。備蓄米のとぎ方や炊き方、保存の仕方は最低限、消費者に提示していかないといけないですよね」(西島さん)

 今回の“令和の米騒動”では、コメの流通など、これまでも指摘されていた問題に再びスポットが当たった。