“黙祷写真”にも様々な疑惑が

 批判が集まったからなのか、斎藤知事は同15日の午後7時41分になってXを更新。甲子園球場の観客席と思われる場所で黙祷している写真を添えて『終戦の日』に当たってのコメントを出している。

 しかし、その“黙祷写真”にも様々な疑惑が生じている。写真をよく見ると、知事の背後はぼけているのだが、観客全員が立ち上がって黙祷しているようには見えない。8月15日、甲子園では正午きっかりに、選手・観客が全員で黙祷を捧げることになっており、今年も全員で黙祷している様子が中継されていたので、知事が黙祷している時は正午ではなかったのか、それとも甲子園ではないのか……。だが、知事の服装は、この日の朝Xに投稿したときと同じに見える。

8月15日の午後7時41分になって、甲子園球場の観客席と思われる場所で黙祷している写真を投稿した兵庫県の斎藤元彦知事。観客全員が立ち上がって黙祷しているようには見えない(本人のXより)
8月15日の午後7時41分になって、甲子園球場の観客席と思われる場所で黙祷している写真を投稿した兵庫県の斎藤元彦知事。観客全員が立ち上がって黙祷しているようには見えない(本人のXより)
【写真】観客は着席…疑惑が寄せられている斎藤知事の“黙祷写真”

 東洋大姫路と花巻東の試合は、午前11時31分に終わっている。ここで疑問が湧くのは、知事が黙祷した場所が甲子園球場だとして、試合が終わったのちも現地に残っていたのかということ。ただ、正午に黙祷したのであれば、知事以外の観客も全員起立して黙祷しているハズなのだが……。しかも、仮にその時間に黙祷しているなら、SNSの性格上、オンタイムで投稿していたのではないだろうか、という点。

 地元紙の記者はこう語る。

「知事日程は公務となっていいたので、朝のXの投稿を見た時“あれっ”と疑問に思ったんですが、西宮の戦没者追悼式典会場は球場から近いので、試合の途中か、試合が終わってから会場に向かうのかなと思っていました。式典の開始は12時からでしたので、実際、試合終了後に球場を出ても、間に合ったはずです。初めから式典に出席する予定ではなかったんでしょうね。

 また、疑惑の写真ですが、試合が終わって黙祷の時間まで30分弱ですから、残って黙祷したのなら、周りも全員起立して黙祷している写真になると思います。正午の“全員黙祷”とは異なる時間に撮影されたんじゃないでしょうか。正午前か、それとも黙祷写真を撮るために、わざわざ球場に出向いたのか、いろいろと指摘されています。まさか合成ということはないと思いますが、非難されたものだから、自分もちゃんと『終戦の日』に向き合っていたんだとアピールしたかったんでしょうね」

 写真の謎は深まるばかりだ。こんな写真を投稿しなければ、余計な詮索をされることもなかっただろう。昨年の知事選で起きた斎藤氏に関する様々な問題は、何一つ解決されていない。そしてまた、新たな疑惑が生まれてしまった。兵庫県の混乱は、いつまで続くのか――。