地方の進学先も視野に悠仁さまの希望を尊重
2019年4月、悠仁さまはお茶の水女子大学附属中学校に入学したが、その年の8月、夏休みを利用して、秋篠宮ご夫妻とともにブータンを私的に訪問している。悠仁さまにとっては、初めての海外体験だった。
3人は首都ティンプーでワンチュク国王夫妻を表敬訪問した。その後、国立弓技場で悠仁さまと秋篠宮さまは、ブータン式弓術を体験し、悠仁さまは弓を持ち、見事に矢を遠くまで飛ばした。
また、ご一家はラバ(ミュー)に乗って、標高3500メートルの高地に登った。悠仁さまは報道陣に対し、滞在中、楽しかったこととして、「ミューに乗って山に上がったこと」を挙げた。
「木とか草とか、(日本と)すごく似ている感じがします」。このように、悠仁さまは感想を述べている。
2020年、新型コロナウイルスが世界的な規模で感染拡大した。この年4月、悠仁さまはお茶の水女子大学附属中学校2年生に進級したが、学校は2月下旬から6月下旬まで休校、自宅学習となった。
その間、悠仁さまはオンライン授業を受け、読書や自主研究にも取り組んだ。コロナ禍の影響を受けた中学校生活だったが、クラブ活動では卓球部に所属し、大会にも出場した。
2022年2月、宮内庁は、悠仁さまが東京都文京区にある国立の筑波大学附属高等学校の入学試験合格を発表した。
4月、同校に入学した悠仁さまはバドミントン部に入り、トレーニングに励んだ。2023年9月には高校の文化祭「桐陰祭」が開かれ、友達と一緒にたこ焼きやベビーカステラを食べる姿が保護者たちに目撃されている。
関係者によれば、秋篠宮さまは、東京以外の国立大学も視野に入れていた。秋篠宮邸から通学が難しければ、ひとり暮らしでもかまわないという考えで、海外留学の可能性についても否定的ではなかったという。ただ、決して親の意見や希望を悠仁さまに押しつけたりはしなかった。それは、
「大学については本人が一番よく理解している」「本人に任せておけば間違いない」という、悠仁さまに厚い信頼を寄せていたからであろう。
かつて秋篠宮さまがしみじみとこう振り返ったことがあった。
「両親と一緒に暮らすことで、親の姿を見て自然に自分の立ち位置を学ぶことができ、とてもよかったと思います」
きっと、悠仁さまは仕事に打ち込む両親の姿勢から、大切な多くのことを学ぶに違いない。そして、悠仁さまは、成年皇族として大きく羽ばたくであろう。成年式は、そのスタートラインでもある。
特別寄稿/江森敬治