相思相愛の上皇ご夫妻
美智子さまは常に上皇さまを支えることに強い使命感をお持ちだという。
「東日本大震災から1周年の2012年に追悼式典が開かれ、当時天皇・皇后両陛下だった上皇ご夫妻が出席されました。このとき、美智子さまは追悼式では珍しく和服をお召しになられたのです。これには“上皇さまに何かあったとき、すぐに支えられるように”という意図があったそうです。
というのも当時、上皇さまは冠動脈バイパスの手術を受けられた直後で式典は退院から1週間後のことでした。万が一、上皇さまがバランスを崩したとき、ヒールよりも草履のほうがお支えできるとのお考えで和装を選ばれたのだといいます」(つげさん、以下同)
上皇さまへの細やかな心遣いは私生活でも欠かされることはなかったという。
「上皇さまは皇居内のテニスコートにご友人を招き、練習をされたことがあったそうです。すると、美智子さまは終わるころを見計らって、冷蔵庫で冷やした手作りのキャロットラペを上皇さまとご友人にお出しになったといいます。
そのご友人によると“冷えたキャロットラペは運動後の身体にしみわたり、とてもおいしかった”そう。美智子さまは常に“上皇さまが喜ばれることを”と考え、行動されているのだと思います」
こうした美智子さまの気遣いを上皇さまも感じ取られていたようだ。美智子さまの50年来のご友人で、絵本作家の末盛千枝子さんは、上皇さまの“忘れられないお言葉”があるという。
「美智子さまと初めてお会いしたのは1970年ごろに大磯で開かれた読書会でのことです。私が岩手へ引っ越す前までは、お住まいにも伺い、美智子さまや上皇さまとお話しいたしました。
中でもよく覚えているのは、上皇さまがまだ天皇陛下だったときのお言葉です。“自分にとって一番幸せだったことは美智子と結婚できたこと”と涙ぐみながらおっしゃったのです。そして“自分が大切に思うことを大切にしてくれる人と結婚できた”と続けられて……。とても温かいお言葉に深い感動を覚えました」