山口さんの会社は北関東のショッピングモール、スーパー銭湯、商業施設での新曲キャンペーンなどを数多く手がけており、大手のレコード会社や芸能事務所といった後ろ盾のない「エレガント桐生」に対し、イオンモール、スーパー銭湯、商業施設での新曲キャンペーンを50本以上も組んでくれた。

地元凱旋ライブでは張り切りすぎて“出入り禁止”

 お金より尊いのは人の縁。山口さんの恩に報いるため、衣装や新たなパフォーマンスを次々と考え、レパートリーを増やした。

ショッピングモールや町おこしなど、全国津々浦々からお呼びがかかっているという 写真提供/エレガント桐生
ショッピングモールや町おこしなど、全国津々浦々からお呼びがかかっているという 写真提供/エレガント桐生
【写真】スカウトされるのも納得!桐生さんの人気ホスト時代

ギャラは徐々に上がってきてはいますけれども、移動費や衣装代のほうがかかるのでまだ赤字ではあります。でも、本当にありがたいことです。歌舞伎町でブイブイ言わせてたころより、地方回りをしている今のほうがやりがいを感じています。僕は強運の持ち主なんです。いろいろあったけれども、それでも健康体でいられるのは運がいい証拠ですから(笑)

 夏祭りへの出演など、営業の仕事も増えており、メディアからも声がかかるようになった桐生さん。前出の純烈のリーダー・酒井さんのラジオ番組にも出演した。

 また、イベントでの人気コーナー「早着替え」が、SNSで話題になったことも。これは、ステージ上に用意された小型のカーテンの中で制限時間内に衣装を替えようとするのだが、幕が下りるとまだ着替えが終わっていない下着姿の桐生さんが現れる……という、“爆笑コーナー”だ。

 この模様がSNSで話題となり、これまでトータル5000万回以上再生されているという。

これを酒井さんが見つけてくれまして。ご自身のラジオ番組に呼んでくださり、放送後にはLINE交換までさせていただきました

 とはいえこの「早着替え」に、物言いがついたこともある。

「僕の地元である愛知県のショッピングモールで凱旋ライブをやらせていただいたのですが、幼いころからずっと通っていた場所でイベントができるなんて、と、いつもより張り切ってしまって、早着替えはもちろん、上半身裸になって熱唱してしまったんです。

 それに対して、ショッピングモールにお客さまからクレームが入ったそうで『当会場と系列店は今後一切出禁です』と通達されてしまいました。地元凱旋ライブで張り切りすぎて“出入り禁止”となる伝説をつくっちゃいました(笑)

 しかし、こう付け加える。

このエピソードは、すべらない“鉄板ネタ”として、トークで重宝しています

 すべてをプラスに変える男・エレガント桐生。彼は、その生きざまで世の中を元気にするのが使命だと語る。

僕が目指しているのは、たくさんの人に元気を与えられる唯一無二の存在です。そして歌手としてはもちろん、『紅白』出場。これからも笑顔、元気、勇気、生きがい、ときめきを日本全国にお届けいたしますので『週刊女性』をお読みのマダムたちも、僕と一緒に夢を見続けましょう!

 華やかで優雅でたくましい─。見る者を笑顔にする“エレガント劇場”は、幕を開けたばかりだ。

取材・文/大貫未来

えれがんと・きりゅう 愛知県出身の33歳(公開年齢)。時代劇アクション俳優、ホストを経て、今年リリースされた歌謡曲『おいで』で歌手デビュー。「エレ様」の愛称で全国各地のショッピングモールや、スーパー銭湯などで多くのステージをこなす。