ただし例外として、建物の壁や天井にひび割れが生じている場合や、ガス臭がする場合は速やかな避難を。

揺れが収まったら、建物の損傷状況や周辺の安全状況を慎重に確認しながら避難しましょう。この際、避難先は『指定避難所』および『指定緊急避難場所』です。火災の延焼や建物倒壊から身を守るための一時的な安全確保場所のこと。お住まいの自治体が発行するハザードマップや防災アプリで事前に確認できます

 災害時、車の運転中であれば、急ブレーキはかけない。

後続車の追突事故を招く危険があります。揺れを感じたら、まずハザードランプを点灯させて周囲に異常を知らせ、安全を確認しながら道路の左側に寄せてゆっくりと停車します

 津波警報が発令された場合は、車での避難は渋滞や道路の損傷により困難になる可能性が高い。車を安全な場所に止めて徒歩で避難することも想定しておこう。

その場合、車はキーを付けたままでドアロックはせずに避難してください。これは緊急車両の通行や、他の避難者が車を移動させる必要が生じた場合に備えるためです。避難先は津波到達予想地点より高い場所、または鉄筋コンクリート造りの堅牢な建物の上層階を選びましょう

台風は、事前の準備で水害から逃れるべし

 9月10月は台風などによる水害が多発する時季でもある。

台風・水害で危ないのは、居場所にリスクがあるか把握していないことです。台風は進路や規模がある程度予測できるため、適切な準備と判断で命を守ることができます。お住まいの地域がハザードマップ上で浸水想定区域に該当するか、浸水する場合の想定深度はどの程度かを確認しておきましょう

 浸水想定が1~2メートル程度で自宅が2階建て以上の場合、避難所への移動より自宅の上階での垂直避難が安全な場合もある。ただし、実際に避難が必要になった際の判断基準を知っておこう。

屋外を歩行できるのは水深が足首程度までが目安です。高齢者や歩行に不安のある方は、警戒レベル3(高齢者等避難)の段階で、複数人で支え合いながら早めの避難を心がけてください

 “以前の大雨のときは大丈夫だった”と、過去の経験だけで判断するのは危険。

これを“正常性バイアス”といいます。危険を過小評価し“自分は大丈夫”と思う心理。近年の豪雨は線状降水帯の発生により、従来とは異なる雨量と継続時間を記録することが増えています。経験則は通用しない可能性があるので、警戒レベル3が発令された時点で避難行動を開始しましょう