岸田今日子さん、冨士眞奈美とは“恋バナ”も
「私は何しろひとりでいるのが好きなものですから、人がいつもそばにいるのがイヤになっちゃって」
と、ひとり暮らしに戻った経緯を明かしつつ、
「それ以来、結婚したがっているような男の人には近づかないようにしてるの(笑)」
と、おひとりさまを謳歌していた。
よく知られた親友の岸田今日子さんと冨士眞奈美とは3人組で、たびたび旅行に出かけた。2001年には上海に足を延ばした。3人が揃うと“恋バナ”にも花が咲いた。
「人は年をとるとものわかりがよくなったり、知恵がついて落ち着くだろうと思ってる人が多いですけど、私が78歳まで人体実験して言えるのは“いい男だな”と思って、ときめく気持ちは20歳のころと同じなんです。だから、素敵な男性を探しまわるのが好きなの」(同インタビューの吉行さん、以下同)
どんな男性に惹かれるのかを聞かれると、
「やっぱり若いほうがいいですね(笑)。だって先が短い人はかわいそうになっちゃって、楽しくないじゃない? それから決まりきった人生を送ってる人じゃなくて、面白くなきゃね。“何を考えてるのかな”と思うと惹かれちゃうんだけど、そういう人に関わるとホントにひどい目にあっちゃうの! 今まで恋愛した人は、お金のことなんて考えない、貧乏な人ばっかりなのよ!」
と、あっけらかんと楽しそうに笑っていた。今から12年ほど前、78歳のときのインタビューだが、吉行さんは将来のことも語っていた。
「私はもう70歳を過ぎていましたけど、そこから仕事をひとつひとつ丁寧に大切にやっていこうという思いが、よけいに強くなりましたね。そして今をちゃんと生きていれば、そのままスッとこの世からいなくなってもいいなって」
その言葉どおり軽やかに、チャーミングに、そして丁寧に90年の人生をまっとうした。合掌。