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ー 初週は公開3か月以上の『国宝』以下
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ー 「監督が公開初日に問題起こしてんじゃないよ」

 

 妻夫木聡主演の映画『宝島』が9月19日に公開された。歴史的ヒットとなった『国宝』の倍以上となる25億円の製作費を投じ、戦後の沖縄を描いた真藤順丈による同名の直木賞小説を映像化した意欲作だ。

初週は公開3か月以上の『国宝』以下

公開3日間の興行収入は約1億6000万円で、初登場7位と厳しいスタートに。同日公開作品には人気アニメ『劇場版チェンソーマン レゼ篇』があり、こちらは公開3日間で12億円以上を叩き出しています。ロングラン上映中の『国宝』にも負けているため、製作費の回収はおろか、歴史的大赤字になる可能性も」(映画ライター)

 妻夫木を始め、広瀬すずや窪田正孝、永山瑛太ら主演級俳優が顔を揃え、全国公開に先駆け6月から全国キャラバランを行うほどの力の入れっぷりだったが……。

191分という長尺なのも、伸び悩んだ理由でしょう。175分の『国宝』も上映時間に躊躇した人が多かったのか、初週は目立った客入りではなかったですから。また『国宝』や『8番出口』など東宝が配給する映画のロングランヒットにより、多くのTOHOシネマズで初週から大きなスクリーンが割り振られなかったことも痛かったですね」(同・映画ライター)

 物語は沖縄がまだ米国の統治下に置かれていた1952年からスタート。1970年に起きたコザ暴動など史実も交えた、1972年の沖縄返還までの混乱の戦後を懸命に生き抜いた若者たちによる20年間の青春群像劇だ。

 舞台となった沖縄では満席状態が続いているほかSNSでも、

《この時代の沖縄を題材にした映画を、これほどの規模で製作・公開してくれたことは、それだけでも作り手の勇気と熱意を感じられるものでした》

《この歴史も、この事件も、この気持ちも知ってる。全部知ってる。ただ、それを映画にしてもらえた。この怒りと悲しみに、初めて寄り添ってもらえた。それがとてもありがたい》

 と、今まで描かれてこなかった沖縄の歴史を映画化してくれたことへの感謝や絶賛の声が、沖縄県民を中心に相次いでいる。一方で、

《191分の長尺にしては飽きずに見れたけどいかんせん話がうっすぃ…》

《カッタるい。原作にあった狂熱とサスペンスを消し去り、しなくていい描写にたっぷり時間をかけた191分》

 と酷評も多く、評価が二分する結果になっている。