一方、長い付き合いの鶴太郎は、一緒に飲みに行っても踏み込まない関係を維持してきた。
「山田邦子の世界が確立していましたから、そこに私は立ち入ってはいけないという感じでした。ひょうきん族でコンビを組んで、事務所も一緒で、一番やりやすいパートナーでしたけど、プライベートな部分は知らないまま。それは今も同じですね」
多忙な日々をこなせるのは筋トレのおかげ
山田の再ブレイクを鶴太郎はどのように見ているのだろうか。
「やっぱり邦ちゃんの親分肌の部分はみんなを惹きつける魅力なんじゃないでしょうか。後輩を飲みに連れていって豪快におごるような一面があるから、若手にも慕われるのでしょう。うちの息子が経営する店もよく利用していただいていて、親子でお世話になっています」
再ブレイクといわれる中、テレビ、ラジオ、舞台と活躍を続け、2024年はコメディアンや俳優などが所属する「日本喜劇人協会」の会長にも就任した。65歳の現在も多忙なスケジュールをこなせるのは、筋トレのおかげだと山田は話す。
「年齢とともに筋肉が減ってきていて、このままじゃまずいと思ったんです。コメディアンなので、舞台には走って出ていかないといけないし、ズッコケもちゃんとしなくちゃいけない。
デジタルな時代、頭脳だけで稼げる方がいっぱいいるのに、芸人は現場に行かなければならないアナログな仕事です。だから週1回、トレーナーさんに自宅へ来てもらって指導を受け、普段も朝起きたときや寝る前、階段の上り下りなど、気がついたときに筋トレを心がけています。やれば筋肉は必ずつくので、続けることですね」
最近は70歳の女性マッサージ師のところに月3~4回通って、コンディションを整えている。
「アントニオ猪木さんも担当されていた、業界に詳しい方。ステージに駆け上がったり、一般の人と動く筋肉が違うことを理解してくれています。舞台で足腰の調子が悪くなったとき、『ガードルで横から締めなさい』ってガードルをくださったのですが、本当に足腰の痛みがなくなりました。あと10年は続けると先生がおっしゃっているので、私も先生がいる限り、舞台に立てると思っています」
5年ほど前からは電車も積極的に利用し、日常生活でも歩くことを心がけている。
「山田邦子だと気づかれないよう、こそっと乗っています。都内だと車より電車のほうが早く着きますし、時間が読めるんです。駅で階段を使うので運動にもなる。電車に乗りやすいようリュックサックも何個か買いました」
食事面では好き嫌いが多いことが知られている山田。
「乳がんになってから暴飲暴食を改めましたが、栄養士の資格を持っているのに、普段は好きなものしか食べない(笑)。ただ、時々、大嫌いなものばかり食べて、バランスを取るようにしています。旬のものを食べることも意識していますね」