スイカ好きとしても有名だが、赤いところは食べないという。
「身の部分はおいしいですけど糖分をとりすぎてしまうので、皆さんに赤いところを振る舞って、私は白いところと種を食べています。スイカは冬でも食べていて、スイカのおかげで元気でいられると信じています」
生き生きしている人の話を聞くのが励みに
なかなか極端な食生活だが、お酒は休肝日をつくり、食事をしつこいぐらい噛んで咀嚼。お米は外食時のみと自分なりのルールで健康をキープしてきた。体調は、若いときは寝れば回復していたが、現在は、いいと聞いたものを最大限活用しているという。
「湿布薬も塗り薬も使いますし、入浴剤もいろいろと試しています。何が効いているかわからないけど、いろんな努力をしていると思うことで、お守りみたいな効果もあるのだと思います」
一方、心のメンテナンスとなっているのは、学生時代の同窓会だ。
「これまでみんな忙しかったんですけど、子育ても終わって、お孫さんも大きくなって、自由に動けるようになったから同窓会が多いんです。同い年なのにみんな違う世界に生きているのが面白いんですよ。顔を合わせるとあっという間に学生時代にワープして楽しいです。
グループに元気な人がいるとみんな元気になる。元気は伝染すると思うから、生き生きしている人の話を聞くのが励みになるんです」
時代とともに笑いは変わっていき、スベって落ち込むこともある。
「ウケなくてがっかりしたり、失敗したなと思うことはあります。そんなときはとにかく寝て、明日も落ち込んでたらその続きを考えることにしています。でもだいたい次の日には、落ち込んでいたことを忘れています。忙しくて考える暇がないことにも救われてきました。調子よく忘れることで前向きに生きていけるんですよ」
“一人でも多くの人を笑わせたい”。時代が変わってもその思いを持ち続けてきたことで、再ブレイクがやってきたのだろう。
「65歳になった今も毎日ふざけています。明日、どれだけふざけられるだろうってことしか考えてないです。でも45年もやってこられたのは、マネージャーや先輩やスタッフに恵まれたからですよ。そうじゃなかったら“ただの変な人”という扱いで、きちんと評価はされなかったと思います」
10年後の2035年は75歳。プロ野球・千葉ロッテマリーンズファンの山田は、2035年ごろに完成予定の新球場での優勝を楽しみにしている。
「西岡剛さんから『10年後は僕が監督になって優勝しているからビールかけに呼びますんで』と言われました。75歳でビールかけができるといいけど(笑)」
女性芸人の草分けとして、どんな75歳のお笑いを見せてくれるのか。10年後、面白いシニアのお手本を山田が示してくれることを楽しみにしている。
取材・文/垣内 栄(かきうち・さかえ) IT企業、編集プロダクション、出版社勤務を経て、 '02年よりフリーライター、編集者として活動。女性誌、経済誌、企業誌、書籍、WEBと幅広い媒体で、企画、編集、取材、執筆を担当している。