後輩バイトには「お笑い優先」で
実際どれくらい儲かっているのかと聞いてみると、「やめましょうよ」と苦笑いする小野に代わって、せんちゃんが答えてくれた。
「まぁいいんじゃないの。ひと月の売り上げは中古の軽自動車が1台買えるぐらいじゃないですかね……確証はないですが(笑)」
売り上げだけ見るとけっこうな額だが、実はほとんどバイトに渡しているという。ふたりより稼いでいるバイトもいるそうだ。バーで働いているバイトは芸人の卵がほとんど。後輩たちがお笑いに挑戦しながらも、なんとか食べていけるようにしっかり稼げる場所を提供していけたらと、思っているそう。
「芸人の予定って直前で決まったりするので、急にバイトを休むとクビになることもあります。自分たちが若手のころにバイトで苦労したので、後輩には同じ思いをさせないように、このバーではお笑いの仕事を優先してもらっています。僕らは、お笑いのほうで食べていけるから。後輩たちが思いきり働いてくれるおかげで助かっているので、最大限還元するように意識しています」(小野まじめ)
メインのお客さんは仕事終わりのサラリーマン。常連も多いとのことだが、この先どんな人に来てほしいか聞いてみた。
「石油王とか大歓迎。お店のお酒全部飲んじゃうみたいな(笑)。職業関係なく、仲良くなって一緒に楽しく飲めるような人が来てくれたらうれしいですね」(せんちゃん)
これからの野望などを聞くと、困ったように笑うふたり。自然体で気まぐれに営業しているようだが、後輩芸人への思いには熱さが垣間見えた。若手芸人と五反田のサラリーマンの居場所をこれからも守り続けてほしい。











