「一軍が優勝できなくて、“若手選手の育成ができていない”という評価だったので、これは責任を取らなきゃいけないということを伝えました。自分の中でケジメをつけたということです」
10月28日、読売ジャイアンツで二軍監督を務めていた桑田真澄氏(57)が、今シーズン限りで退団することを各スポーツ紙が報じた。球団から「若手選手の育成失敗」を指摘されたという桑田氏だが、“クビ”の理由はそれ以外にもーー。
2006年の巨人退団後にメジャーリーグに挑戦するも19試合の登板に終わり、2008年3月に現役引退の意向を示した桑田氏。以後は大学院で学ぶとともに野球評論家、独立リーグのコーチなどを経て再び巨人のユニフォームに袖を通したのが2021年。
2024年からは二軍監督を任されると、今年のイースタン・リーグでは2位に8ゲーム差をつけてのぶっちぎりの優勝を果たして結果を出していた桑田氏。“教え子”である若手選手から胴上げされた後のコメントでは、
「二軍の試合では、どうしてもミスが多くなります。しかし、その都度コーチ陣やスタッフが選手とともに原因を分析し、改善策を練ってくれました。その積み重ねこそが、最終的に優勝という結果に結びついたのだと確信しています」
現役時代のプレースタイル同様に、優勝の要因を冷静に分析してみせた桑田氏。そんな“ヤングジャイアンツ”たちが巣立って、一軍で活躍できることを誰よりも願っていたであろう彼に下されたのが、冒頭の「若手選手の育成ができていない」評価だった。
一軍に定着できた若手はごくわずか
とはいえ生え抜きの元スター選手で、現在もファンからカリスマ的人気を誇るだけに球団には残ってほしいのだろう。巨人はフロント入りのポストを用意するも、これを固辞。自ら退団の意思を伝えたというわけだ。
「実質的な“クビ”ということでしょう」とは在京球団を取材する野球ライターの見解。
「確かにシーズン中、投手野手含めて20人以上の若手選手が二軍から送り込まれるも、一軍に定着できたのはごく僅かで、多くの選手が“出戻り”になることが多かった。阿部監督も“見切る”のが早く、もうちょっと我慢すれば花開きそうな選手はいたようにも思えましたが……。
ただ毎シーズンでの優勝が義務付けられている巨人だけに、一軍での成長を悠長に待っていられないのも事実。もう少し選手を見守りたい気持ちはある一方で、桑田さんの中には“ここに居場所はない”と思うところもあったのか」
















