支持離れが加速する国民民主

 国民民主の失速は、高市氏が自民総裁に選出され連立入りの協力を要請したのに対し、玉木代表は自民か野党との連立か白黒ハッキリしなかったからとの見方が多い。

 そんな支持離れが加速する中、選択的夫婦別姓といった支持していた層が求めているものと異なる動きに《それよりも手取りを増やす夏の実施が最優先だろ》という多くの指摘は支持者の心情を代弁していると言える。

「消費税減税・ガソリン代値下げ」「給料が上がる経済」など、若年層現役世代の生活に直結する課題解決を期待していた支持者にとって、優先順位が高いとは思えないイデオロギー論争の前線に玉木代表自らが立ったことは、「裏切り」とさえ映っているようだ。

「国民民主党の支援団体である連合の芳野友子​会長は『自民との連立入りは容認できない』と国民民主に牽制していただけでなく、選択的夫婦別姓をめぐり、自民から離脱した公明党について『同じような考えなので一緒に』と期待を示しています。こういった背景もあり、玉木代表は『連合の言いなり』などと揶揄された意見も多くみられます」(前出・全国紙政治部記者)

 物価高騰や実質賃金の低下、緊迫する国際情勢など、国難とも言える課題が山積する中で、なぜ今、この法案を「自賛」してまで推し進めようとするのか。《もう二度と信用することはない》――。SNS上に溢れるそんな声は、玉木代表と国民民主党が、最も大切にすべきだったはずの「国民の声」から乖離し始めている危険な兆候なのかもしれない。