境界型でも油断禁物!放置すると合併症も
糖尿病の疑いは、空腹時血糖値とHbA1cの両方で判定されるが、空腹時血糖値が126mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上で糖尿病と診断される。
「通常、健康診断や人間ドックでは、HbA1cが5.5%までなら正常とされ、5.6~6.4%の方は要注意。5%台後半になると、いわゆる境界型で糖尿病一歩手前とされます。食後血糖値が基準を大きく上回っているケースもあり、決して安心はできません」
実際、HbA1cが5.5%以下の人の糖尿病リスクを1とすると、5.6~5.7%の人は2.3倍、5.8~5.9%で3.4倍、6.0~6.1%では8.8倍になるという研究報告がある。境界型といっても油断は禁物、0.1%でも下げることが大切になる。
「いまは健康でも数年後には発症する可能性のある予備軍の方が日本中に大勢いると考えられます。そういった方こそ毎日続けやすいもので予防的な意識を持ってほしいと思っています」
まずは現在の血糖の状態を知ることから。
「現状を把握するならHbA1cの数値を見るとよいでしょう。健康診断や病院で検査をする以外にも、最近では薬局で指先セルフ測定できるサービスが普及してきているので、利用してみるのも手です」
HbA1cの数値が5%台後半以上の場合、半年に1度は病院で検査を行うのが望ましい。糖尿病は血糖値やHbA1cの数値が高いからと、すぐに身体に異変が起こるわけではない。しかし高血糖状態の放置は、重大な合併症の危険性を増幅してしまう。
「三大合併症といわれ、失明につながる目の網膜症や、糖尿病性腎症。これは深刻になると人工透析が必要になります。そして比較的多いのが、手足にしびれや痛みが生じる神経障害。これらは放っておくと、早ければ5年ほどで発症します」
慢性的に高血糖の状態が続くと、食後に眠気を強く感じる、食後に手が震える、精神的にイライラする、汗をかくなどの症状が現れる。月経不順や更年期の症状とも似ているため、婦人科を受診したら糖尿病だった、というケースもあるというから要注意だ。
糖尿病リスクCHECK!
3つ以上当てはまる人はHbA1cの数値が高くなっているかも!?
□食後に昼寝してしまう
□食事はカロリーだけを気にしている
□野菜ジュースを毎日飲む
□毎日、夕食だけが豪華
□シミ、シワが増えてきた
□すぐイライラする。怒りやすくなった
□傷が治りにくくなった
□薄毛や白髪が増えた











