ライブには涙ぐむファンも

「あんぱんはRADWIMPS、おむすびはB'z、虎に翼は米津玄師など、どちらかといえば大衆的で幅広い世代に親しみやすいアーティストが選出されることが多かっただけに、独特の世界観を持った『ハンバート ハンバート』が起用されたのは異例だったかもしれません。知名度という点では確かに差がありますが、静かで日常を切り取ったようなメロディーと歌詞に『朝ドラ史上最高に癒やされる』と多くの視聴者の心を掴んでいます」(音楽メディア関係者)

 癒し、ほっこりした夫婦フォークデュオといったイメージで知名度が上がったが「死生観」「社会への疑問」など、大衆に馴染みのない孤独感がテーマの楽曲も多い。ドラマの主題歌というと制作側の意向が反映され、世界観が制限される懸念もあったが「忙しい朝の癒しタイム、毎朝ありがたい」「主題歌飛ばさずちゃんと聞いてる」など、“ハンバートらしさ”を残した主題歌は完成度の高い楽曲と評価する声も多い。

「評価と知名度が急上昇したハンバートですが、ライブの完成度も高いといいます。これまでに何度かフジロックにも出演していますし、肩肘張らない楽しさや音楽の完成度、完璧すぎないバランスが心に響き、ライブでは涙ぐむファンも多くいます。MCでも、佐野さんと佐藤さんの夫婦漫談のようなやり取りも好評のようです」(前出・音楽メディア関係者)

 『ハンバート ハンバート』にとって、紅白出場は約27年の活動の集大成ともいえる舞台となる。大みそかの夜、『笑ったり転んだり』を聴けたら胸に響く年越しになりそうだ─。