都が直接、実施することは「考えてない」

 体験会の支援が都の条例案として盛り込まれる件について、実際に経験した企業である同社の広報担当者に話を聞こうとしたが、「大変申し訳ありませんが、東京都の取り組みについては、見解を述べる立場にございませんので、本件に対する回答は差し控えさせていただければと存じます」と、極めて慎重な姿勢を示した。

 世間からさまざまな反応が寄せられている、生理痛体験会の支援策。所管局である東京都の産業労働局に詳しい事情を尋ねたところ、以下ように答えた。

「女性活躍推進条例案は、働く場における女性の活躍を推進する条例として制定したものです。条例の中では、企業など事業者の皆様に、女性特有の健康課題への対応をしていただきたいということが書かれております。対応を進めるにあたって参考となるような具体的な取り組みについては、今後作る指針で示すことになっております。生理痛体験会につきましては、都議会の質疑の中で、そうした取り組みの一つの例としてお話をしたものです」

 世間から反対意見も寄せられていることについては、こう話す。

「さまざまなご意見を頂戴しておりますが、働く場で女性が活躍できる環境の整備に向けて、各企業様におかれましては、それぞれの実情に応じた取り組みを進めていただきたいと考えております。従いまして、東京都が直接、企業様を対象とした生理痛体験会を実施するようなことは考えておりません。さまざまな関係機関のご意見なども伺いながら、どういった事例を示していくのかについては、今後検討していく予定です」

 都はあくまで企業の取り組みを支援する立場であり、生理痛体験会は副知事が示した一つの例だという。

 各方面で議論となっている都の施策。どんな形であれ、実施されるのは雇用の場における理解を深める結果につながるものであってほしい。