親指の力を鍛えて100年歩ける足に!

「私の患者さんに、足首はユルユルだけど、どんな足場も地下足袋ですいすい歩けるという鳶職の人がいます。その方は足の親指(母趾)の力がとても強いんです。実は足の衰えは、母趾の力が弱まることから始まります。逆にいえば、足の親指の力を鍛えれば100年歩ける足関節が保てます

 足の親指といえば、外反母趾に悩む女性は多い。これも足の親指の力が落ちたことが一因だという。

「外反母趾の矯正で、親指だけを前向きに補正する装具がありますが、おすすめしません。親指の側面にある靭帯が伸びて扁平足を助長するからです。軽症なら、親指と小指の関節をぎゅっと握りながら、指の曲げ伸ばしや指を広げるストレッチをしたほうが足のアーチ(土踏まず)が保たれて、親指も前を向くようになります」

 靴の選び方も重要だ。安易に幅広の靴を選ぶと、足のアーチが崩れるおそれも。

理想は、下駄の鼻緒をぐっとつかむように親指に力を入れる感覚で歩くことです。足袋ソックスや五本指ソックスをはけば、より足指に力を入れやすいのでおすすめです」

 靴や靴下を選んだら、次は歩行などから足首の関節強化を図ろう。理想は一日一万歩なのか?

「科学的根拠はゼロです。一日8000歩歩く人の死亡リスクは低いというデータならあります。一回の運動ではなく、一日のトータルで達成すればいい。かたや一日の歩数が2000歩以下では認知症のリスクが高まることがわかっています。まずは週のうち3日は7000~8000歩を目標に。続ければ足の筋力や関節の力が自然とついてきます。

 ただし、冬は寒さや雪のせいで歩きにくいので、転ばないよう注意して。歩くのは簡単だと思い何もしないでいると、いざ60歳過ぎて運動しても筋力や関節の力が落ちていて愕然としますよ。今のうちに健康習慣はつくっておきましょう」

今の足首の状態をセルフチェック

両足のかかとをつけて爪先を90度くらいに開き、背すじを伸ばしたまま真っすぐ腰を下ろす。両ひざが自然に開き、かかとは浮いた状態に。そのまま20秒キープ。途中でしびれたり、5秒も続かないなら足首がゆるんでいる可能性大!
両足のかかとをつけて爪先を90度くらいに開き、背すじを伸ばしたまま真っすぐ腰を下ろす。両ひざが自然に開き、かかとは浮いた状態に。そのまま20秒キープ。途中でしびれたり、5秒も続かないなら足首がゆるんでいる可能性大!
【写真】死ぬまで歩ける「100年足首」を作る簡単ストレッチ

 両足のかかとをつけて爪先を90度くらいに開き、背すじを伸ばしたまま真っすぐ腰を下ろす。両ひざが自然に開き、かかとは浮いた状態に。そのまま20秒キープ。途中でしびれたり、5秒も続かないなら足首がゆるんでいる可能性大!

関節強化は日々の食事も大事

・筋肉をつくるタンパク質は、特に意識して

肉や魚に含まれる動物性タンパク質は、体内でつくれない必須アミノ酸を含むので重点的に。不足するとフレイルやサルコペニアのリスクが高まり歩行困難になる可能性も。

・やせすぎはよくない

運動器の障害により移動機能が低下してしまう。太れない悩みがある人は、高カロリー食(例:マクトンオイル入りの飲料など)をとるのも一つの手。

・亜鉛のとりすぎはNG

身体に必要なミネラルの一つ銅の吸収を阻害し、しびれを誘発しがち。サプリメントなどの過剰摂取は特に注意。