再びライブをする理由は

 現在は自宅療養に励みつつ、復帰を目指す日々を送る。もりひさんの一日は、痛みとの闘いだった。

「朝は痛みと熱で起きて、痛み止めを飲んで、効くまでしばらくじっとしています。顔に穴があいている以上、痛みはなくならないのではと先生には言われています」

 口が開きにくく、歯磨きをするのもつらい。固形物は食べづらく、食事は麺類が中心。

「何をしても痛い。でも薬は成人男性が飲める最大量を飲んでいるので、一日の配分も考えなくてはいけなくて」

 痛みに耐えつつ、動画配信を続けるもりひさん。今年、大きな計画があるという。

「夏ごろにライブをやります。自分の曲で勝負しようということで、バンドメンバーと気合を入れていて、新曲もバンバンやりますよ!」

2025年12月に自身初となる単独ライブを大阪で開催し大盛況を収めた。マカロニえんぴつのカバーやオリジナル曲『ナカナイカノジョ』を含む全8曲を披露
2025年12月に自身初となる単独ライブを大阪で開催し大盛況を収めた。マカロニえんぴつのカバーやオリジナル曲『ナカナイカノジョ』を含む全8曲を披露
【写真】抗がん剤の影響か…右頬に穴が空いているもりひさん

 会場は450〜500人収容とスケールアップ。そこに大きな覚悟が見え隠れする。

「鍼灸の仕事をしたいけど、できないのであれば、やれることをやるしかない。声もいつか出なくなるかもしれないし、いつどうなるかわからない。だからこそ、今できることを全力でやろうと思って。顔に穴があいた男にライブができるなら、たいてい誰でも何でもできるじゃないですか」

 明るく話すが、時にはガクンと落ち込むこともある。リカバリー法はというと「彼女の声を聞く。もうそれしかないですね」と即答。彼女の存在が大きな支えと語る。

「結婚も考えているけど、その前に見た目的に少しでも修復して、ご両親に安心してもらえる姿になれたらって思っています。でもそれを考えれば考えるほど、しんどくなっちゃうけれど……」

 やりたいことは、まだまだたくさんある、ともりひさん。病気を言い訳にせず頑張りたい、と前を向く。

「過去の自分を乗り越えていきたい。成長したい。ここでくたばるわけにはいかないんです。小学2年で発症したので、病気と闘うのは僕にとってもう当たり前なんです。そこからさらに頑張るのは自分次第。何事も諦めなかったらできるんですよって伝えられたら。自分を誇れる自分でいたい。恥ずかしくない生き方をしたいと思っています」

もりひ 2003年生まれ。鍼灸師として整骨院に勤務しながら、ユーチューバーやティックトッカーとして活動。小学2年生の時にがんが見つかり入退院を繰り返す。明細胞性歯原性悪性腫瘍という世界でも症例の少ない希少がん。昨年がん治療の影響で顔に穴があき、その時期から配信を始め注目を集める。
もりひ 2003年生まれ。鍼灸師として整骨院に勤務しながら、ユーチューバーやティックトッカーとして活動。小学2年生の時にがんが見つかり入退院を繰り返す。明細胞性歯原性悪性腫瘍という世界でも症例の少ない希少がん。昨年がん治療の影響で顔に穴があき、その時期から配信を始め注目を集める。
もりひ 2003年生まれ。鍼灸師として整骨院に勤務しながら、ユーチューバーやティックトッカーとして活動。小学2年生の時にがんが見つかり入退院を繰り返す。明細胞性歯原性悪性腫瘍という世界でも症例の少ない希少がん。昨年がん治療の影響で顔に穴があき、その時期から配信を始め注目を集める。

取材・文/小野寺悦子