その後も「3人ドリフ」は続き、いずれも視聴率は40%超え。3月21日、1か月ぶりに仲本と志村が復帰し、従来の番組に戻ると、視聴率は30%台に戻った。それでも十分高い数字なのだが。

ドリフは不祥事をコントに

 芸能人がこれほど世間を騒がせた不祥事を起こせば“黒歴史”としていっさい触ろうとしなくなるものだが、この時代のドリフターズはそうはならない。

ザ・ドリフターズ(左から志村けん、仲本工事、いかりや長介、加藤茶、高木ブー)
ザ・ドリフターズ(左から志村けん、仲本工事、いかりや長介、加藤茶、高木ブー)
【写真】日本中が騒然…当時“ノミ競馬”を報じた週刊誌の記事

 番組復帰から3週間後の4月11日、この日は定番の教室コント「ドリフの国語・算数・理科・社会」。教師役のいかりやと生徒役のメンバー、ゲストの間でこんなやりとりがあった。

いかりや「英語で犬は?」
ゲスト「ドッグ」
いかりや「猫は?」
ゲスト「キャット」
いかりや「馬は?」
仲本工事「やめました」

 場内大爆笑である。本稿冒頭で筆者は、当時の芸能人を指し「今より自由を謳歌していた」と書いた。しかし、実際に自由を謳歌していたのは、素人であるわれわれだったのかもしれない。

取材・文/細田昌志 

ほそだ・まさし 作家。2020年刊行『沢村忠に真空を飛ばせた男』(新潮社)で講談社本田靖春ノンフィクション賞、2024年刊行『力道山未亡人』(小学館)で小学館ノンフィクション大賞を受賞