かつては身体に悪い飲み物とされていたコーヒー。その刺激の強さから、胃や心臓に負担をかけると考えられ、健康を気にする人ほど敬遠してきた時代があった。
しかし研究が進むにつれ、コーヒーに含まれるポリフェノールなどの成分が注目され、生活習慣病の予防や肝機能への好影響を示すデータも蓄積。今では「控えるべきもの」から「適量を楽しむ嗜好品」へと、評価は大きく書き換えられている。
疾病リスクを下げるコーヒー
「最新データでは、2型糖尿病や心血管疾患、脳卒中、認知症、パーキンソン病などのリスクを下げるといわれています。直近では、心房細動やアルツハイマー予防のデータも出てきました。
肝がんや肝硬変にも効くデータもあることから、コーヒーは酒飲みの味方なんていわれています。最も多い論文が、総死亡リスクの低下に関するもの。コーヒーを飲むと死亡リスクそのものが下がることがデータで、しっかりと示されているのです」
と話すのは、大東文化大学教授の福島洋一さん。
ただし、たくさん飲んだからといって、すべての疾病リスクが下がるわけではない。多くは1日に3~5杯飲んでいる人がリスクが低いとわかっている。
またカフェインの入っていないデカフェでも、リスクが低減している疾患が多いことから、コーヒーに含まれる“ポリフェノール”が優位に働いているという見解が多い。
「ポリフェノールとは、植物から出る抗酸化物質のこと。ポリフェノールを1日1000~1500mgとっている人は疾病リスクが低いとわかっています。また抗酸化物質は活性酸素を除去する作用があるため、コーヒーを飲んでいる人はシミが少ないというデータもあります」(福島さん、以下同)
長生きしたいなら朝。夕方以降は要注意
一体いつ、どうやって飲むのがいいの?
「コーヒーを飲んでから血流に流れ込んだカフェインが、半減するのは平均で4時間後。長々と血流に残るので、カフェイン入りを夜に飲むのはNG。脳が活性化して寝つきが悪くなり、平均で総睡眠時間は45分、睡眠効率は7%減少するという報告もあります。
おすすめは朝。血圧を保ったり、血糖値を上げてエネルギーをつくるコルチゾールの上昇を後押しするので、高い健康効果を得られるんです。
厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』でも、1日のカフェイン摂取が合計400mgを超えると、睡眠に影響する可能性があり、特に夕方以降は控えるよう推奨しています。カフェイン400mgといえば、コーヒーカップ5杯ぐらいです。個人差もありますが一つの目安としましょう」
しかし、いくら朝飲んだほうがいいといっても、起き抜けの空腹時の1杯は要注意。
「カフェインをとると胃酸が出て、消化活動を高めます。便秘が解消するのはこのためですが、一方で、空腹時にカフェインをとると、胃酸過多になり、胃にダメージを与えるおそれがあります。飲むなら食後がいいですね」
加えて薬と一緒に飲むと、肝臓で代謝されるときに相互作用が出てしまうため、それも避けたほうがよい。






















