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ー ホームランを打たない4番

 V奪還を至上命題に掲げる阿部巨人が、開幕直前にして“岡本和真のメジャー移籍”という課題に直面している。若手の抜擢か、それとも実績か――。1月の衝撃プランから一転、最新構想で浮き彫りとなった指揮官の苦悩と決断の行方に注目が集まる。

ホームランを打たない4番

 プロ野球の春季キャンプが最終盤を迎えた2月28日、日本テレビ公式YouTubeチャンネル『月刊巨人軍監督日記』に出演した阿部慎之助監督が、最新の「2月時点の開幕オーダー」を公表した。

「1月時点と同じ打順と顔ぶれでしたが、唯一変わっていたのが4番の欄。前回はソフトバンクから移籍したリチャードを4番に据える構想を披露し、『細かいことができないから4番で好きに打てと言った方が伸びる』と大きな期待を寄せていましたが、今回のホワイトボードからその名前はきれいに消えることに。代わりに書き込まれたのは、選手の名前ではなく『ホームランを打たなくても良い』という“4番の役割"を覆すフレーズでした」(スポーツ紙記者)

 阿部監督は「つながりがある打線を作るためにどうするかって考えた時、こういうことも考えていいのかなって」と語り、4番選びに迷っている様子だったが、スポーツ紙デスクがこう指摘する。

そもそも、『8番サード石塚裕惺』としていた時点で、当初の『4番リチャード』構想は守備位置の兼ね合いからして成立しにくいものでした。阿部監督が提示した顔ぶれと打順をポジションに当てはめると、1番センター・松本剛、2番セカンド・門脇誠か浦田俊輔、3番レフト・キャベッジ、5番キャベッジか中山礼都、6番ショート・泉口友汰、7番キャッチャー・甲斐拓也か岸田行倫か山瀬慎之助。つまり、残るはファーストとライトの2枠だけです。

 この中でライトを守れるのは中山しかいませんから、そうなると、石塚がサードに入る以上、ファーストは新外国人のダルベックが有力で、リチャードは必然的に石塚やダルベックの控えか二軍ということになってしまう。このパズルを紐解くと、消去法で4番は中山か外国人という布陣に落ち着きますが、未知数の新外国人と実績が足りない中山にいきなり岡本の穴を埋められるのかどうか」

 そこで浮上するのが、石塚を外すパターンでの「4番サード・坂本勇人」という選択肢だ。

指揮官が口にした『ホームランを打たない4番』というフレーズは、まさに高い打撃技術と状況判断能力を持つ坂本を強く意識した発言とも受け取れます。実際、一部スポーツ紙に対して阿部監督は『4番坂本は十分ありえる』と明かしている。石塚の育成は将来に向けて必須ですが、開幕カードでは百戦錬磨のベテランを4番に配置して精神的な支柱にすることは十分に現実的。

 思い返せば、昨年もキャンプ時の開幕スタメン案と実際のスタメンはまったく異なっていました。阿部監督は開幕オーダーの選定リミットを3月14日に設定しており、2月時点のオーダーはまだ中間発表というところでしょう。ともあれ、1月時点の開幕オーダーを聞いたリチャードは、『眠れなくなった』と語っていましたから、名前が消えたことを発奮材料にしてもらいたいですね」(前出・スポーツ紙デスク)

 ネット上でも、阿部構想について「4番坂本のほうがしっくりくる」「開幕で中山4番はさすがに時期尚早」「最初からリチャードの4番はないと思ってた」との声が聞かれる。果たして3月27日の開幕戦、4番に座っているのは誰なのか――。