一方の消費者は、セルフレジ操作でどういったことを心がけているのか。帰宅途中、首都圏の中規模スーパーで買い物を済ませた50代の女性に話を聞くと、
「この店は、夜間はすべてセルフレジになるので有人レジの列に並べません。操作ミスをして怪しまれたくないのでゆっくりと丁寧にスキャンするようにしています」
不正利用を防ぐ未来型システムも
と打ち明けた。機械の操作が苦手な人もいるだろう。まごついているとレジの画面に自分の姿が映し出されて驚くこともある。悪い気など起こしていないのに、万引き犯と疑われないためにはどう操作すればいいのか。
「1つずつ正確にスキャンすることです。2個持ちはダメです。レシートは持ち帰ってください。不正していないことの証明にもなりますし、購入商品と突き合わせて、もしスキャン漏れがあったら店に申し出ましょう。
1店舗で1日に1人は“支払い漏れでした”とお金を払いにくる人がいます。漏れるのは、せいぜい1個か2個。5個漏れることはあり得ませんし、悪意か、うっかりミスかは見ていればわかります。気持ちを読むのがGメンの仕事で、動き、目つき、狙うものなどでわかるんです」(伊東さん)
さて、セルフレジは将来どう進化するのか。東京ビッグサイトで3月6日まで開催されていた国内最大の流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN」で、東芝TECがセルフレジの不正利用を防ぐ未来型システムを展示した。
すでに商品化している「再来店検知システム」は、顔認証した万引き犯をAI搭載カメラが検知。マスクをつけて再来店しても90%以上の精度で検知できるという。
開発段階の「スキャン漏れ検知」は、スキャナー式と値札などに内蔵したRFIDタグ(電子タグ)式の2種類があり、バーコードの一部を指で隠してスキャンを偽装すると、「確認してください」とアナウンス。
RFIDタグのついた商品を“重ね打ち”してごまかそうとすると、「未スキャン商品」と画面に表示された。
「反響によっては実証実験、商品化に進みます」(東芝TECの担当者)
万引きは犯罪。その意識をもっと高めていきたい。
いとう・ゆう 1971年、東京都生まれ。作家、万引き対策専門家、現役の万引きGメン。国内外で延べ6千数百人の万引き犯を捕捉。著書に『万引きGメンは見た!』『万引き 犯人像からみえる社会の陰』など。万引きを未然に防ぐ店舗向けコンサルティングや講演などを行う一般社団法人「ロスプリサポートセンター」代表理事

















