医療・介護費はどれくらい配分するか

 あと、老後の資金活用として考えておきたいのが、医療費と介護費だ。これらの費用は、どれくらい用意しておくべきなのか?

「医療費は基本的に3割の自己負担ですが、75歳以降は原則、1割負担に軽減されます。大病をした場合でも、医療費負担が一定額に抑えられる『高額療養費制度』が使えます。そのため、それほど心配しなくてもいいと思います。

 介護費用に関しては、介護用ベッドなどの一時的に必要な介護費用と、月々の介護費用が約5年間かかったとして、合計で約540万円が必要という試算が出ています※。心配であれば、その金額に医療費を少しプラスして、残しておくといいでしょう」

 医療・介護費を準備できればいいが、「上乗せ型」で退職金から月々の生活費への取り崩しが多くなり、退職金では老後資金が賄えない場合もあるだろう。妻が専業主婦で、夫が先に亡くなった場合は遺族年金が十分かどうかの心配もある。

「そんなときでも悲観せず、無理のない労働で収入を増やせばいい。まずは60歳を機に家計の収支を把握しましょう」

 いろんなケースを想定して、上手に退職金を活用したいものだ。

※生命保険文化センターの調査