この条件を叶える場所は、京都や松本、盛岡、札幌、仙台、長崎といった県庁所在地が多い。中でも京都は、著書『歩いて旅する、ひとり京都』を出版してしまうほどのお気に入りだ。
いちばん大事なことは、無事に帰ってくること
「京都はただ歩くだけでも楽しく、同じ道でも通るたびに新しい発見があります。また、観光スポット以外にも、昼間やることが多い街は退屈しません。実は博多や名古屋はグルメがとても充実していますが、ひとりだと、こうしたグルメ中心の街は、昼間の過ごし方に迷うことも」
この春は、水戸に桜を愛でに行く計画だという山脇さん。
「水戸といえば梅が有名ですが、実は桜もすごくきれい。駅から偕楽園に向けて歩くと、右手に桜川、左手に千波湖の絶景が広がり、満開の桜並木がどこまでも続くんです」
最後に、これから最初の一歩を踏み出す読者へ、メッセージをいただいた。
「ひとり旅でいちばん大事なことは、無事に帰ってくること。普段はそんなに歩かないのに、気分が上がって2万歩も歩いてしまうといった無理は禁物。こまめな休憩や早めの就寝を心がけましょう。また、宿泊は大手のビジネスホテルなどを選ぶと、トラブルの際の対応がしっかりしていて安心なことが多いです。暖かい春、今しか見られない景色を探しにお出かけしてみてはいかがでしょう」
山脇りこさんがオススメする行き先トップ3
京都
「京都はただ歩くだけでも楽しく、鴨川沿いや三条通りなど、何度訪れても新しい発見があります。『ひとりごはん』の店も豊富で、狙い目は女性店主のカウンタービストロ。店側も慣れているので、緊張せずに楽しめます」
長崎
「市内を路面電車が走っているので、ほぼすべての観光スポットに行けます。『原爆や戦争』『幕末の歴史』『キリシタン文化』『産業遺産の軍艦島』など、見どころが多いのでテーマを決めてまわりやすいところも魅力」
自宅のほど近く
「普段は日帰りする距離のところに泊まってみるのも楽しみ方のひとつ。私は東京の西側に住んでいるので、あえて谷中などなじみの薄い東側に泊まることもあります。大阪の方なら、奈良や兵庫などに泊まってみるのもいいですね」
りこさん流ひとり旅がもっと楽しくなる3つの習慣
旅先が舞台の本を読む
「出発の前日あたりから、滞在先が舞台になっている小説を読み始めます。物語を通してその土地の歴史や雰囲気に触れておくと、実際に現地を訪れたときの味わいがグッと深まる気がします」
「小さな目的」から気ままに楽しむ
「普段からGoogleマップに気になった場所を収集。京都の小さな雑貨屋や長崎のパン屋……。目的はささやかでも、一軒のお店を起点にその周辺を歩くことで、思いがけない発見につながります」
朝のランニングや散歩で「街の素顔」を覗く
「いつもは人であふれかえる観光地も、早朝は驚くほど静か。ゆったりと景色を独占できます。また、通勤・通学の人々や、開店前の飲食店など、その街のありのままの『素顔』に出合えるのが楽しみです
取材・文/荒木睦美
山脇りこさん 料理家、エッセイスト。国内外問わず大の旅行好き。前著『50歳からのごきげんひとり旅』(大和書房)が14万部を超えるベストセラーに。近著に『歩いて旅する、ひとり京都』(集英社)がある。


















