存在意義を実地で学ぶ機会
河西准教授は、愛子さまの訪問には二つの重要な意義があると語る。
「まず、愛子さまが被災地を訪れることで、被災地や震災に関するニュースがより大きく報じられます。愛子さまと同世代の、当時の記憶が薄い若い人たちにとっても震災を知る機会が増えるでしょう。東日本大震災という出来事を日本全体で継承していくために大切なことです」
もう一つの重要性は“次世代皇族”としての自覚だ。
「若い世代の皇族の中心的人物として、被災地訪問という重い公務を担う意味は非常に大きい。また、両陛下とご一緒されることで、ご両親が被災者と交流する姿を間近に見て、皇族の振る舞いや存在意義を実地で学ぶ機会にもなります。『平成からつないできた被災地訪問を今後も続けていく』という決意を、愛子さまご自身も肌で感じられるのではないでしょうか」(河西准教授)
現在、日本赤十字社で働かれている愛子さま。就職の理由の一つとして、友人が震災復興のボランティアに参加していたことを挙げられていた。
「愛子さまは日赤のお仕事を通じ、災害時の被害を最小限に抑える『減災』への取り組みなどを、現場に近いレベルで捉えていらっしゃるはず。震災から15年がたち、教訓をどのように未来に伝えていくかという、新たなフェーズに入った今、愛子さまの視点は非常に重要です」(つげさん)
愛子さまの訪問に、被災地からも歓迎の声が上がる。志田さんはこう期待を寄せる。
「震災の出来事だけでなく、支え合い歩んできた人々の時間や思いを、次世代へ丁寧に受け継いでいただけたらと思っています。悲しみだけでなく、再生しようとする姿や、日常を取り戻そうとする力も感じ取っていただけたらうれしいですね」
また、田村さんも愛子さまの未来にエールを送る。
「今回の訪問を愛子さまの糧にしていただけたら。将来、重要な立場を担われる方ですから、“実際にご覧になり感じた”経験を大切にしていただきたいです」
陛下と雅子さまからの“バトン”を受け継ぎ、愛子さまが拓く新たな“令和の道”には、どんな景色が広がっているのだろうか。
河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数
つげ のり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など

















