一生音楽活動を続けて海辺で暮らすのが夢

俳優・歌手・モデルの土屋アンナ(撮影/矢島泰輔)
俳優・歌手・モデルの土屋アンナ(撮影/矢島泰輔)
【写真】「いつもにぎやかな家庭」土屋アンナと4人の子どもたち

 42歳になった今、これからの抱負は「ずっと歌い続けること」だと土屋は言う。今のバンドでの楽曲には、世界のどこかで今も恐怖の中にいる子どもたちへの眼差しが込められている。

「私たちは日本で幸せに生きているけど、世界には戦争や貧困で今日も怯えながら暮らしている子どもたちがいる。じゃあ私たちはどうやって動けば平和につながるかというメッセージを、私が歌うことで考える人が増えてほしいと願っています」

 もうひとつの夢は、海のそばで暮らすことだ。毎年通っている加計呂麻島の漁師・ナツ君との交流が、土屋の心の深いところに根を張っている。元武道家でもある彼は、海にゴミがあれば船を止めて拾い、自分で全部燃やすという。

「毎年彼のところへ海の自然への感謝を学びに行っています。自然界にいると、学校では教えてくれない感謝や苦しさを肌で感じます。そういう人生を最後に生きたいというのが夢ですね」

 東京に戻ってからも、漁師さんのように「今日も陸にあがってこられた」「生きてこられた」「乾杯!」とお酒を飲む。

「これだけ動いていると自分が一服する時間が絶対に必要で、お酒やタバコはオフのスイッチになっています。ママもお酒とタバコが大好きだったけれど、最後の2か月はその楽しみが叶わなかったのは心残りですね」

 別れの悲しみはまだ癒えることはないが、眞弓さんの魂をそばに感じながら、今日も土屋は全力疾走で駆け抜けていく。

<取材・文/垣内 栄>

かきうち・さかえ IT企業、編集プロダクション、出版社勤務を経て、'02年よりフリーライター・編集者として活動。女性誌、経済誌、企業誌、書籍、WEBと幅広い媒体で、企画・編集・取材・執筆を担当している。