陛下も「愛子さまに皇室に残ってほしい」と思われている

 現行の皇室典範では、いずれ悠仁さまが皇位を継承されることになるが、ここにも違和感があるという。

上皇さまは、天皇陛下への帝王学について明確な考えをお持ちでした。一方で秋篠宮さまは、記者会見で悠仁さまの教育について“姉たちと同じように”と答え、将来天皇にならない方々と同様の教育方針を示されています。こうした点からも、悠仁さまよりも、直系である愛子さまを優先すべきと感じられているように見受けられます

 天皇陛下は、どのような思いで協議を見守られているのか。今年のお誕生日会見では、《私達はやはり愛子にも一人の人間として、そしてまた一人の皇族として立派に育ってほしいというふうに思って、今まで育ててきたつもりです》と述べられた。この会見に、高森さん自身も驚いたという。

愛子さまに皇室に残ってほしいという願いが、ひしひしと伝わってきました。陛下は愛子さまのお気持ちを無視して発言されるような方ではありません。一部には“急な継承議論は負担になる”とする声もありますが、悠仁さまが誕生される以前、直系継承が検討されていた愛子さまにとって決して想定外ではないはずです。どのような立場になられても揺るがぬよう、陛下が慈しみをもって教育されてきたことは、今の愛子さまのお姿が証明しています

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 ご本人の胸中は推測するしかない現状の中、23日、宮内庁の黒田武一郎長官は皇室典範について口を開いた。

長官は“何らかの制度改正がされた場合は、皇室の方々のお気持ちを十分に踏まえながらできる限り対応をしていく”とコメントしました。今回の協議は“皇族数”に関するものですが、あえて“皇室”という言葉が使われました。一般的に皇族に天皇陛下は含まれませんが、皇室には陛下が含まれます。この使い分けの意味は非常に大きい」(前出・皇室担当記者)

 異例ともいえるこの発言に対し、とある宮内庁関係者はこう語る。

今回の発言は、一連の皇室典範改正議論に対する宮内庁からの“牽制”ともいえます。本来、長官が政治的な議論に踏み込むことはありません。ある程度、陛下に打診したうえでの発言なのでしょう。あえて“お気持ち”という言葉を出したのは、決定後に聞くのでは遅すぎるというメッセージ。まずは当事者である皇室の方々に意思を確認してほしいという、必死の訴えではないでしょうか

 皇室の未来を左右する協議はどこにたどり着くのか。国民一人ひとりが、この歴史的な議論の行方を見守っている。

高森明勅 國學院大學講師。神道学や日本古代史を専攻し、『天皇「生前退位」の真実』『「女性天皇」の成立』(共に幻冬舎新書)など著書多数