皇族会議による決定が違憲になる恐れ

 皇室の制度史と文化史に詳しい京都産業大学の所功名誉教授は、この方針の問題点をこう解説する。

配偶者を一般国民のままとする場合、皇族女子には皇族費が出ますが、夫には支給されません。結果として、夫は皇族女子の皇族費から生活費をもらうか、自ら外で稼ぐ必要が生じます。また、宮家当主の配偶者として公務に同伴しても、皇族としての待遇が受けられないことになります

 これは金銭面だけでなく、人間の尊厳にも関わる問題だという。

「人間にはプライドがあります。夫や子が皇族とされなければ同居しても身分が異なり、公務に尽力しても正当な評価や生活保障が得られない。役割に対する自負が保証されない状況下では、ご結婚すら難しくなります。やはり家族一体となって生活も活動も存分に行えるよう、配偶者も子たちも皇族とすべきです」(所名誉教授)

 加えて、前出の高森氏は、配偶者を皇族としない場合、“憲法違反”の可能性があると次のように指摘する。

皇室典範第10条には《立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する》と定められています。現在、女性皇族が対象外なのは、結婚により皇籍を離脱するためです。もし女性皇族が皇室に残るならば、その婚姻も皇室会議の議を経るべきですが、相手が一般人のままであれば、憲法第24条1項の《婚姻は、両性の合意のみに基いて成立》という規定に抵触し、皇族会議による決定が違憲になる恐れがあるのです

 この憲法上の矛盾については所名誉教授も同様に懸念を示す。

「配偶者を皇族に入れないままでは、国民の平等を定める憲法との矛盾もぬぐい切れません。皇族男子の婚姻のあり方と仕組みを、同じく皇族女子にも適用すれば、この問題はすっきり解決します」