「例えば、大風が吹いてバス停の屋根が損傷したり、通学路の交通量が増えて児童の登下校が危険になったとします。そのような場合、役所とパイプのある議員ならすぐに適切な部署に掛け合って手を打てるのです。町内会長、自治会長さんと一緒になって、細かに地元のパトロールをしている、街の味方なのです」(大槻さん)
これはミクロな貢献だが、近年では自治体のマクロな方向性への貢献も活発だという。
「例えば観光で、インバウンドを増やすためにどういった政策を打っていったらいいか。逆にオーバーツーリズムにどう対応するか。また、余剰資金の運用なども含めて、市の財政をどう強くしていくか。これからは、経済、財政政策のように、その街全体に影響を与えるような、骨太の政策を作っていくのも地方議員の非常に重要な動きとなってきています」(大槻さん)
時間的自由度と気になる報酬面は
次に地方議員の時間的な条件について大槻さんはこう解説する。
「時間の使い方の自由度は高いです。地方議会の主な拘束時間は、春夏秋冬のシーズンごとに開かれる“定例会”と“視察”が基軸となっています。年間を通してみれば、およそ3分の1程度の期間は、ご自身の裁量で動ける『自由な活動時間』となります」(大槻さん)
もちろん自由な期間に何もしなければ次の選挙で当選はおぼつかないだろうし、有権者への裏切りとなってしまう。政策課題の調査や地元回りが求められている。大槻さんは時間的な自由を生かし、地方議員の兼業を推奨している。
「兼業はビジネスで得た知見や問題意識を議員活動に還元できるので、私は地方議会における理想の姿だと考えています。そもそも『兼業議員』は多いですし、町村議会議員は最初から兼業を前提とした報酬設計になっています」(大槻さん)
最後に気になるその報酬面である。
「地方議員の報酬は、ボランティアではなく、生活を支え、活動を担保するための職務負担に応じたものとして条例で厳格に定められています。そして、大ざっぱに言えば人口規模の多い自治体ほど多額になり、やはり魅力的な額となっています」(大槻さん)
全国の市議会議員の平均報酬月額は42.6万円。こちらに人口規模別の市議会議員の平均報酬月額(2024年12月31日時点。全国市議会議長会調べ。議長、副議長ではない一般議員)の表を用意した。政令指定都市と東京都特別区は先に一括りで紹介する。

















