皇室とオランダ女王たちの交流

来日した日系パラグアイ人の高校生たちと面会し、ダンスをご覧になる秋篠宮ご一家(2023年7月19日)写真/宮内庁提供
来日した日系パラグアイ人の高校生たちと面会し、ダンスをご覧になる秋篠宮ご一家(2023年7月19日)写真/宮内庁提供
【写真】イギリスのリーズ大学留学中に親しくなった男性とカフェで過ごす佳子さま

 私はオランダ訪問と聞くと、このときのことを真っ先に思い浮かべてしまう。オランダの女王たちとの、はじけるような笑顔の皇后さまと幼い愛子さまの写真が公表されたが、その印象が強く残っている。

 天皇、皇后両陛下は1993年6月9日に結婚し、'01年12月1日、長女の敬宮愛子さまが生まれている、しかし、約2年後の'03年12月に皇后さまは帯状疱疹と診断され、宮内庁病院に入院、長期療養に入った。

 翌'04年7月、宮内庁は皇后さまの病名を「適応障害」と発表した。'06年8月、皇后さまの静養を目的に、天皇ご一家はオランダを私的に訪問し、同地に滞在している。そして、天皇ご一家が帰国してから間もない9月6日に誕生したのが、秋篠宮ご夫妻の長男・悠仁さまだったのである。

 それ以前は天皇陛下と秋篠宮さまの妹である黒田清子さんから愛子さままで、9人連続して女性皇族が生まれていた。皇室に男子が生まれるのは秋篠宮さま以来、実に41年ぶりのことであり、人々は喜びに沸いた。秋篠宮ご一家は、多くの国民から支持されていた。

 現行の皇室典範には《皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する》と明記され、結婚後、一般国民となってしまう女性皇族の誕生ばかりが続くと、養子をとることもできず、皇室は先細りとなる。

 悠仁さまが生まれる前年の'05年11月、皇位継承のあり方を検討してきた小泉純一郎首相(当時)の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は、皇位継承者を「男系男子」に限るとする皇室典範を見直し、女性天皇と母方だけに天皇の血筋を引く女系天皇を容認した。さらに、皇位継承順位は、男女にかかわらず、天皇の第1子を優先するなどとの報告書をまとめた。ある意味、皇室の一大危機を救ったのが、悠仁さまの誕生だったのである。

 悠仁さまが生まれたことは、それだけ重い出来事だった。こうした皇室の歴史を、忘れてはならない。

 天皇陛下の次は弟の秋篠宮さま、そして悠仁さまへ、皇位は受け継がれていく。

 この順位も悠仁さまの誕生以来、揺るぎないものだ。年齢の離れた弟を、将来に向け立派な成年皇族に育てることも、姉である佳子さまの大きな役割である。国民は期待している。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など