倒産が集中するのは、東京を含む大都市圏だ。
「関東の1都3県や大阪といった大都市圏は供給過多、飽和状態といえます。東京は今後も破産だらけでしょう。ある日いきなり逃げていなくなった、いわゆる“飛んだ”という歯科医院は今もわりといます。報じられているのはあくまで破産手続きをした歯科医院などですから。
“先週まで通っていた歯医者が閉まっていた”という患者さんはしょっちゅういますよ」
歯科医院の倒産は、その経営者が困るだけではない。
「治療前に“治療費を全額入金してください”という歯科医院は多い。うちは初めに半額、治療が終わってから残りの半額ですが、治療開始前日までに全納なんてこと言ってくる歯科医院は危険ですよ。飛ぶところもありますから」
歯科医院にも「物価高」の波が
昨今の物価高も追い打ちをかける。
「まず建築費が高騰。3年ほど前と比べて1.5倍以上に。あとは高額の医療機器が増えています。それらを購入したもののローンを返せなくて破産する例もあるでしょう。開業に“億”かかるのであれば、もっと慎重に事業計画を立てなければいけないじゃないですか。それなのに銀行は融資してしまう。ウチも新規で診療台を入れましたが、めちゃくちゃ値段が上がってますね」
国と日本歯科医師会が推進してきた“80歳になっても20本以上自分の歯を保とう”という「8020運動」は結果的に今、業界には逆風に……。
「結果的に自分達の首を締める事になりました(笑)。虫歯予防、虫歯予防と言ってきたら、虫歯は減った。歯科医院は虫歯治療では食っていけないんですよ。でも虫歯治療が減っても保険治療は他にも沢山あり、地道にやればそれなりに利益は出るんです。でもそれが面倒なのか、そこで保険外診療に活路を見出して一発当てようとする。それでみんな潰れちゃうんですよ」
物価高の中、保険診療(診療報酬)は国が定める公定価格に縛られ、他業種のように値上げという対応を取れない事情もある。保険外診療は当然、歯科医院の実入りは大きい。

















