ライブから、生きて帰れるか…
ライブをするには体力が必要なので、パーソナルトレーニングを行い、体幹の強化にもまじめに取り組んでいる。もともと食に興味がないため、食べすぎることはなく、中年太りとは無縁だ。
「バンドのボーカルは、ライブで水中競技と同じくらい全身を使うんです。特にラウドやハードロック系のボーカルは、本来であれば体幹がしっかりした体力のある人が取り組むべき過酷な種目。皆さん細いのに筋肉がついています。
だからもともと体力がない僕は『今日のライブで生きて帰ってこられるだろうか』と、今でも不安ですね。ダイエットしたい人はロックバンドのボーカルをやればいいと思いますよ」
運動をし、食べすぎず、酒も飲まなくなったが、健康診断の結果は芳しくない。受診したこと自体に満足して、送られてくる結果を見ていなかった時期もあったという。
「“健康診断あるある”でしょ。緑内障の兆候を数年間見過ごしていたんです。幸い大事には至りませんでしたが、血液検査の項目は、ほぼ何かしら引っかかっていて、薬は飲んでいます。大腸の内視鏡検査ではポリープを3つ取りました。
検査前は下剤を2リットル、さらに水を1リットル飲んで、あんなに苦しいことはなかった。胃のバリウム検査なんて、機械の上をぐるぐる回されて、ロックだなんて関係ない。人は皆一緒の弱い生き物なんだと身をもって知りましたね」
現在のライブには、親となった昔からのファンが子どもを連れて来たり、若い世代のファンも増えている。だからといって若者を意識して楽曲制作をすることはない。
「今の音楽の詞は文字数が僕らのころの10倍ぐらいあるんじゃないかな。昔はサザンオールスターズの『勝手にシンドバッド』が早口すぎて歌えないなんて言われていましたが、ラップが当たり前になった今の音楽は、もはや別の競技という感じです」
60歳を超えて、詩に書くテーマの難しさに直面することもある。
「若いころは『反抗』や『閉塞感』をテーマにしたものですが、大人になった今は、自分としてもどうかと思いますしね。僕らくらいで世の中に反抗を表明している方も多いんですけど、ある意味うらやましいというか。
コンプライアンスも厳しくて、ラブソングで『異性にワクワクする』といった表現すら難しい。制約をかいくぐりながら、みんなが面白がる詩を書いていかないとダメですね」

















