「待てば無料」では、24時間待てば一話無料で読めるマンガアプリが殺人事件解決の鍵となる。
無料の情報に振り回されることが苦手
「ポイントが貯まるとか、待てば無料になるとか、世の中には一見、得をするような情報があふれていますよね。私自身、1か月だけ無料というサブスクに入会し、解約を忘れて結局、料金を払うことになるなどといった経験をしています。だから無料の情報に振り回されることが苦手ですし、怖いことでもあるんです」
本書は芦沢さんの9年間の軌跡が見える一冊でもある。
「その時々によって自分の小説美学が変わっていて、初期のころの作品はわかりやすいものになっています。6編の話はそれぞれ雰囲気が違うので、芦沢の一人アンソロジーのような感覚でお楽しみいただけたらうれしいです」
最近の芦沢さん
「横浜中華街にある店の、アワビや活きた車エビといった高級食材ばかりを具材にするおかゆ料理を食べに行きました。16名そろわないと予約ができないお店で、『野性時代フロンティア文学賞』の後輩の岩井圭也さんに声をかけてもらい参加したんです。
いろいろなジャンルの作家さんや書評家さん、声優さんなどがいらして、楽しかったし、おいしかったです」
取材・文/熊谷あづさ
芦沢央(あしざわ・よう)/1984年、東京都生まれ。2012年『罪の余白』で野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。2018年『火のないところに煙は』で静岡書店大賞(小説部門)、2022年『神の悪手』で将棋ペンクラブ大賞優秀賞(文芸部門)、2023年『夜の道標』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞。山本周五郎賞、直木賞など数々の文学賞にもノミネートが続いている。他の著書に、『嘘と隣人』『カインは言わなかった』など。



















