「最近、人の名前や言葉がパッと出てこない」「家事の段取りが驚くほど悪くなった」
そんな変化を感じたことはないだろうか?
単なる年齢による物忘れや疲れだと思っているその症状、もしかすると近年、医療の世界で注目されている「ブレインフォグ」かも?
頭のモヤモヤ&無気力は加齢のせいじゃない!?
「ブレインフォグは病名ではなく、頭に霧がかかったように感じる、考えがまとまらない、記憶力や集中力が落ちる、といった認知機能の不調を表す状態です。今、20〜60代の幅広い世代に広がっているほか、特に日常の疲れを感じやすいミドル世代で悩む人が増えています」
そう話すのは、群馬医療福祉大学の川上智史先生。若い世代でも症状に悩む人がいる一方で、不思議なことに70代になるとこの症状は減少するという。
「70代になると、仕事の責任や家庭環境などの慢性的なストレスから解放される方が多いためと考えられます。ブレインフォグは、働き盛りの現代人がいかに脳を酷使しているかを示すサインといえるのです」
私たちの脳の中には、膨大な数の脳細胞が集まっている。脳細胞同士は、アセチルコリンという神経伝達物質が飛び回ることで、スムーズに情報を伝達している。しかし、睡眠不足や慢性的なストレス、更年期に伴う体調変化などが重なると、この脳内の情報伝達がうまく働かなくなるのだ。
「脳は心臓から送り出される全血液の約20%を必要とする繊細な臓器です。そのため、ストレスや疲労などで処理能力の限界を迎えそうになると、いわば『自衛』としてスイッチをオフにしてしまいます。
すると脳内の通信速度が落ちて必要な情報にアクセスしにくくなり、脳に霧がかかった状態になります。これが、さまざまな要因で引き起こされるブレインフォグの正体だと考えられています」
実は、このブレインフォグはスマホやPCがなかった昭和の時代にはほとんど見られなかった。それほど、現代の情報過多とデジタルデバイスへの依存が深刻な引き金になっている。
「昔は、情報を得るには本を1冊ずつ調べるなど時間がかかりましたが、現代はスマホで検索した瞬間に大量の情報が一気に脳へ流れ込みます。脳がそれを咀嚼しきれず、疲弊してしまうのです」
























